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2005’作成

“学校給食の塩ビ手袋”

【学校給食の調理時に使用される塩ビ手袋について再検討を求める陳情】


静岡市議会議長 藤田卓次殿

私たちは、日頃より“健やかな命を未来に”と願い、食べ物の共同購入を始め、生ゴミの堆肥化、リサイクルの推進、環境問題の学習会と実践などを行っているものです。

活動の中で、ダイオキシン、環境ホルモンなどについても学び、私自身が消費生活において、ゴミや消費材を通して環境を汚染する事がないよう努力しています。
また、母親という立場で、子供たちがお世話になっている学校給食についても関心を持ち、担当課の市政出前講座をお願いし学習会を持つなどしてきました。

こうした中、学校給食でも使用されている塩化ビニールの手袋から環境ホルモンである “フタル酸ジエチルへキシル” が食べ物に移行し、高濃度で汚染している事が国立医薬品食品衛生研究所により厚生省に報告された事を知りました。
その後、厚生省の対応は様々ありましたが、溶出濃度が極めて高いこともあり、6月14日の「食品衛生調査会 毒性・器具容器包装合同部会」で調理用塩ビ手袋の使用を禁止する方針を打ち出しています。

以上のことから、静岡市の学校給食について2点を検討くださるようお願いいたします。
  1. 塩ビ手袋の使用は、環境ホルモンの食品への移行だけでなく、使い捨てた後の処理についても問題が多いものである点から使用を見直してください。
  2. 学校給食では、盛り付け時に塩ビ手袋が使用されることはないと思われますが、現在使われている塩ビ手袋の環境ホルモン溶出検査データを確認、公表してください。
環境汚染が水や空気、食べ物にまで及んでいる現在、未来ある子どもたちに安心して成長できる環境を整えてやることは、私たち大人の責任だと考えています。
私たち大人が子供の未来を大切に思っていることを、学校給食を通しても伝えられるよう現行の見直しをお願いいたします。

(2000年)平成12年6月19日
「健やかな命のための生活講座」
共同購入“ぐるーぷ・みるめ”
健やかなくらしを提案する“プラムフィールド”



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2005’作成

“フタル酸ジエチルヘキシルフタレート”

【フタル酸ジエチルヘキシルフタレート】

1.塩化ビニールの環境リスク

モノマー製造、製品、廃棄、焼却、各段階で
ダイオキシン、外因性内分泌かく乱物質(環境ホルモン)の発生源となる。

2.塩化ビニールから溶出する環境ホルモン

軟質塩ビ製品・・・25〜50%
硬質塩ビ製品・・・10%
有機リン系、フタル酸エステル系の可塑剤が要因

フタル酸エステル系 8種類が「環境ホルモン」にリストアップされている。
◎フタル酸ジエチルヘキシルフタレート(DEHP)
 フタル酸ジヘキシルフタレート
 フタル酸ジエチル フタレート(DEP)
 フタル酸ジペンチルフタレート
 フタル酸ジブチル フタレート(DBP)
 フタル酸ジシクロヘキシルフタレート
 フタル酸ジプロピルフタレート
 フタル酸ジチルベンジフタレート

◎フタル酸エステル系 生産量
  482,111トン/年
   このうちDEHPは313,344トン(65%にあたる)

3.フタル酸ジエチルヘキシルフタレートの毒性

◎エストロジェン・・・女性ホルモン作用を示す内分泌かく乱物質
  オスラット→精細管萎縮・前立腺重量減少
  メスラット→性周期の延長・排卵障害
  マウス・ラットの
   妊娠期間中の暴露実験→生存胎仔数の減少・奇形発生率の増加

◎発ガン性可能性2Bクラス
  ラット・マウスの慢性毒性・発ガン性試験で肝細胞腫瘍が認められた。

―――1996年「一般環境汚染調査結果」(環境庁)によれば―――
◎DEHPについて
  「水質、底質及び魚類のいずれからも検出され、検出頻度はやや高く、
  検出濃度レベルも必ずしも低いとは言えない。
  内分泌かく乱物質の疑いがあることなどから、関連情報の収集が必要である。
  また、水質、底質及び魚類のいずれからも検出されることから、今後も環境調査を行い、
  その推移を監視することが必要とされている」
◎DBP、DEHP共に水質要監視項目に指定されている。

4.フタル酸エステルの食品汚染

食品包装用の塩ビ製品が原因と考えられている
 カナダ ・・・DEHPは飲料で平均0.065ppm・食品で平均0.29ppm
       DBP・BBPはバター、マーガリンを汚染
 イギリス・・・乳児粉ミルクで汚染が見つかり1日の摂取許容量は0.13mg/体重kg
 日本  ・・・DEHP・DBPが肉類、玄米からも検出されている。

5.塩ビ製品の規制の流れ

 オーストリア・・・1998年より三歳以下の子供のおもちゃにフタル酸可塑剤の使用禁止
 デンマーク  ・・・1998年11月より同様の措置
   (イギリス・イタリア・スペイン・スェーデンにも同様の動きがある)
 チェコ    ・・・2001年以降塩ビ包装を停止