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2005’作成
“遺伝子組換え食品”を考える!!
1997年7月5日(土)14:00〜16:00
講師 天笠 啓祐氏
よつ葉 “陳情書提出の経過報告”

黄花 “陳情書提出について小まとめ”
チラシ



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2005’作成

1.陳情書提出の経過報告 

(1)遺伝子組替食品の表示を求める陳情申し入れ人募集


7/5〜7/15 静岡県議会への陳情申し入れ人を募集
7/18     静岡県議会へ陳情提出
(陳情は生まれて初めての主婦ばかり6人と幼児1人で、県庁へ!
紹介議員の白鳥さんに引率されて、フカフカのじゅうたんに驚いたり、喜んだり、和やかでした。)



(2)静岡県議会へ陳情書提出

【遺伝子組替食品に関する意見書の採択を求める申込書】

平成9年7月17日
静岡県議会議長

 組み換えDNA技術で他の生物の遺伝子を農作物に組み込み、 害虫に対して抵抗性を持つトウモロコシやジャガイモ、 除草剤に抵抗力を持つ大豆や菜種など、遺伝子組替食品が家庭の食卓に上り、 また学校給食にも登場する見通しです。
 厚生省は7品目の遺伝子組み換え食品について「安全性に問題はない」として輸入を認めました。 しかし、私達は遺伝子組み換え食品の安全性について 「組み換えDNA技術は、たとえ従来の農作物と姿・形・成分・栄養素などが同じであっても、 人為的に遺伝子の一部を組み換える事によって、これまでには無かったタンパク質が作られ、 アレルギー物質や毒性物質が発生したり、 生態系を変えてしまう可能性がある」と不安を抱いています。

 こうした私たちの不安を解消するためにも、必要な情報を公開し、消費者の選択の権利を確保できるよう、 行政の力添えを望んでいます。
 このようなことから、静岡県議・静岡市議より政府に対して、次の2点を意見書として提出してくださるよう、 申し入れいたします。

1)遺伝子組み換え食品及びこれらを原料とした食品すべてについて、 消費者が選択できるよう表示を義務付けること。
2)安全性について十分な調査研究をすること。

提出先
  内閣総理大臣
  厚生大臣
  農林水産大臣
以上よろしくお願いいたします。



(3)静岡県議会より国に意見書提出


7/31 静岡県議会にて、陳情が採択されました。
(以下、静岡県議会より国に提出された意見書全文です。)


【遺伝子組替食品に関する意見書】
平成9年7月31日

  内閣総理大臣
  厚生大臣
  農林水産大臣
  通商産業大臣
  自治大臣
  経済企画庁長官

静岡県議会議長
川口 久一

 組換えDNA技術で微生物等の遺伝子を作物に組み込み、 除草剤や害虫に抵抗力を持たせた いわゆる「遺伝子組換え技術応用食品」の輸入が本格化されようとしている。
 厚生省は、これらの遺伝子組換え食品の安全性に問題は無いとしているが、 身体への影響などその安全性に関して、不安を抱いたり、 遺伝子組換え食品の表示の義務付けを求める消費者も少なくない。
 欧州委員会では、遺伝子組換え技術を利用して作った大豆等の農産物について 表示の義務付けを決め、欧州連合(EU)各国に通知している。
よって政府は、国民の不安を解消するため、 遺伝子組換え食品の安全確認に万全を期するよう徹底審査すると共に、 遺伝子組換え食品に関する情報公開を促進し、 その表示について義務的措置を講じられるよう強く要望する。
  以上、地方自治法第99条第2項の規定により意見を提出する。


【残暑お見舞い申し上げます】
1997年8月19日
「健やかな命のための生活講座」事務局

 7月3日より「遺伝子組換え食品の取り扱いに関する陳情書」の賛同人を募りました際には、 いち早くご協力いただきましてありがとうございました。

 わずか2日間の準備期間であったにもかかわらず、 7月5日の講演会で陳情人を募った時点で、皆様42名の賛同呼びかけ人が得られていたことが、 大きな力となり、参加者はほとんどの人が共鳴してくださいました。

 その後、7/5〜7/15までに192名が陳情者として名を連ねてくださり、 その名簿を持って、7月17日静岡県議会議長あてに提出してまいりました。
陳情書提出にあたっては静岡県議会議員の白鳥さんが、 正副議長との面会時間を作ってくださり、 「健やかな命のための生活講座」「れんげ畑」「ぐるーぷ・みるめ」の3グループより、 6名と子供1名計7名で直接お願いをしました。

 その結果、7月31日に上のような決議となり、静岡県より6者あて、意見書を提出の運びとなりました。
 一様に同意を得やすい事柄でしたので、このように順調に進んだのだと思いますが、 やはり皆さんの協力なしには叶わなかった陳情でしたので、ここに感謝と共にご報告いたします。

 次は9月の静岡市議にむけて、引き続き陳情賛同人を募って行きますので、 9月6日までもう一度まわりの方にお声掛けをいただければ、うれしく思います。
 なお市議会議長への提出日が決まり次第、ご連絡申し上げますので、 お時間のある方は、同行していただければ幸いです。



(4)静岡市議会へ陳情申し入れ人募集


1997年7月23日
遺伝子組み換え食品に表示を!!
静岡市議会から国へ意見を出してもらうよう市民の声を届けます。
あなたも申し入れ人になってください!!!

 私達は遺伝子組替食品の安全性はもちろん「表示の必要性はない」と判断した厚生省の決定に 消費者として選択するための情報すら与えられない不満を感じていました。
こうした消費者の不満は、全国に広がり、各地方議会より “国に対して表示の義務付けを求める意見書が(7/4現在122自治体より)次々に出されました。
 しかし、静岡県下では6月29日島田市議会が採択したのみで、 県及び静岡市も動きが見られないため急遽、7月5日の「遺伝子組替食品を考える」の講演会当日、 参加者に呼びかけるかたちで陳情の申し入れをつのりましたところ、 わずか10日間の短い間でしたが192名の申し入れ人が集まりました。

 その192名の名簿と共に7月17日、静岡県議会正副議長に別紙の陳情書を提出。 共産党から同様の議案が提出されたこともあり、採択に向けて好意的な回答が得られました。 現在開期中の静岡県議会で同意される見通しです。

 県、あるいは市議会より国へ意見書が出されることは、 現在農林水産省が「表示に関する検討委員会」を設置し再検討作業を進めている議論に 国民の声として届けられるだけでなく、 県・市の行政関係機関に直接問題を投げかける事にもなります。

 今回静岡県議会に対しては時間がなく192名で陳情をしましたが 静岡市議会は9月ですので、より多くの消費者の声として伝えたいと思っております。

 別紙の申し入れ書に賛同していただける方はご一報ください。 なおグループ名を書いていただきますと陳情日や報告が伝えやすくなりますのでご記入ください。

〆切1997年8月31日 ぐるーぷ・みるめ内 




(5)静岡市議会に陳情書提出


9/10 静岡市議会へ陳情書提出(申し入れ人263名 内静岡市民198名)
(れんげ畑・ぐるーぷみるめ・健やかな命のための生活講座などのメンバーで、議長室は超満員 再び楽しい申し入れ。)
9/30 陳情主旨説明
陳情説明の際「主旨説明をどうぞ・・・・」と言われ「ハイ・・・」 ということで議会へ。
一般消費者(市民)としての要望を伝えてきました。 総勢8名・・・全員で入場し、10分ほど説明。 「意義なし」の言葉を頂いてスムーズに終了。
(わくわくドキドキでしたが、263名の皆さんの要望を担っていたので、 安心して出来ました。良い経験でした。) 


【遺伝子組替食品に関する意見書の採択を求める申込書】

平成9年9月10日
静岡市議会議長

 組み換えDNA技術で他の生物の遺伝子を農作物に組み込み、 害虫に対して抵抗性を持つトウモロコシやジャガイモ、 除草剤に抵抗力を持つ大豆や菜種など、遺伝子組替食品が家庭の食卓に上り、 また学校給食にも登場する見通しです。

 厚生省は7品目の遺伝子組み換え食品について「安全性に問題はない」として輸入を認めました。 しかし、私達は遺伝子組み換え食品の安全性について 「組み換えDNA技術は、たとえ従来の農作物と姿・形・成分・栄養素などが同じであっても、 人為的に遺伝子の一部を組み換える事によって、これまでには無かったタンパク質が作られ、 アレルギー物質や毒性物質が発生したり、生態系を変えてしまう可能性がある」と不安を抱いています。

 こうした私たちの不安を解消するためにも、必要な情報を公開し、消費者の選択の権利を確保できるよう、 行政の力添えを望んでいます。
 このようなことから、静岡県議・静岡市議より政府に対して、次の2点を意見書として提出してくださるよう、 申し入れいたします。

1)遺伝子組み換え食品及びこれらを原料とした食品すべてについて、 消費者が選択できるよう表示を義務付けること。
2)安全性について十分な調査研究をすること。

提出先
  内閣総理大臣
  厚生大臣
  農林水産大臣
以上よろしくお願いいたします。



(6)静岡市議会より国に意見書提出


10/3 願意妥当と認められ、
10/6 静岡市議会より国に意見書提出


【遺伝子組替食品に関する意見書】
平成9年10月6日

  内閣総理大臣
  厚生大臣
  農林水産大臣
  通商産業大臣

静岡市議会議長
剣持 邦昭

 組換えDNA技術で、他の微生物等の遺伝子を農作物に組み込み、 害虫に対し抵抗性を持つトウモロコシやジャガイモや、 除草剤に抵抗力を持つ大豆や菜種等、 いわゆる「遺伝子組換え技術応用食品」の輸入が本格化されようとしている。
 厚生省は、これらの遺伝子組換え食品の安全性に問題は無いとしているが、 身体や生態系への影響など、その安全性に関して、疑問や不安を抱くものもいる。  国民の不安を解消するためには、必要な情報の公開を促進し、 消費者の選択の権利を確保する必要がある。
 欧州委員会では、遺伝子組換え食品の表示規則を決定し、 欧州連合(EU)各国では表示を義務付けるなど国民の要請に答えている。
 よって政府は、遺伝子組換え食品及びこれらを原料とした食品について、 安全確認の充分な調査研究をするとともに   遺伝子組換え食品に関する情報公開を促進し、 その表示について義務的措置を早急に講じられるよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条第2項の規定により意見を提出する。




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作成:2006’5/5

2.陳情書提出について小まとめ


 仮に、百歩ゆずって遺伝子組み換え食品が安全だとしても(私たちには信じられませんが) 安全性が確保されている(?)食品添加物についてさえ、表示義務が負わされています。
 従って、表示を求めるのは異論の出るはずのない陳情です。
 静岡県・静岡市の対応は非常に遅く、国に対しての意見書を提出したのは 静岡県議会が全国で360番目。静岡市議会は368番目です。
ちなみに静岡県内で、国への意見書をあげているのは、 H9.6.20 由比町議会、浜北市議会 H9.6.25 島田市議会 H9.7.31 静岡県議会 H9.10.6 静岡市議会の5自治体のみです。 静岡県であれば、県議会も国への意思表示をしている訳ですから、 意外にスムーズに私たちの意見が伝わると思います。 陳情はとても簡単(私も初めて知りましたが)議会事務局に行って“お願い”するだけです。 楽しいので、是非お友達と一緒にトライしてください。
1人でもできることその1!!
国への意見書をあげていない自治体へ
陳情をあげてください!!!

(資料等お手伝いします)




3.今後の取り組みについて


(1)学校給食の食材選び

神奈川県藤沢市では

H9.8.25 藤沢市教育長の名で
給食食材の納入業者に対し
遺伝子組み換え食品を納入しないよう
要請文が出されています。
この陰には市民の繰り返しの要請があり、
議会からもサポートしました。
静岡市議会で確認された“遺伝子組み換え食品の取扱”を軸にして 学校給食の食材選びを非組み換え食品にしぼってもらえるようお願いに行くつもりです。
1人でもできることその2!!
行政の学校給食課に
「使わないで下さい・・・」の
電話、またはハガキを
出してください。

(2)私たち消費者が遺伝子組み換え食品を使ってあるものを買わない。
不買行動は消費者最大の意思表示です。
決して大きな消費者運動は出来なくても素晴らしい行動です。
1人でもできることその3!!
組み換え食品を使っているものを買わない!!
実はこれが、一番大きな力です。

1人でもできることその4!!
遺伝子組み換え食品を使っているメーカーに
「使わないで欲しい」とハガキを出しませんか?
50円の消費者運動です。




4.現在の流れ


1人でもできることその5!!
身近な食品業者に
「逆表示」をお願いして
親しい関係を作る
地域の生産者を大事にするチャンス!!

大手のメーカーはやはり原料入手の量的な問題で 「使わない」と言い切るのは難しい面もありますが、 地域にある加工業者は「使わない」逆表示によって売上が伸びている例が 経済新聞などにも報告されています。



5.まとめと感想


●国に甘く見られてしまった私たち。
しかし、国も地方自治体もよほどの人でない限り、 あまり遺伝子組み換え食品の事など考えていないのだと思います。
私たちがだからこそ不安や疑問を伝え、考えてもらう機会を作るのが、 ある意味で市民の義務だろうと思いました。
たぶん他人まかせの私たちにも責任があったナ。そんな気がしました。