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2005'8/25
〜プラムフィールドに届いた素敵な商品の企画者からのお便り〜 
“メチルパラベンの毒性”

共同購入みるめでお馴染みの、
防腐剤パラベン不使用の化粧品『アンジーナ』シリーズを紹介してくださったのは京都の安全商品普及会です。
『安全商品普及会・京都』
皆さんよくご存知の『食品添加物毒性テーブル』をはじめとした
『毒性テーブル』シリーズ
(プラムフィールドの売り上げ上位ランキングの情報パンフ 1部300円)
同志社大学の西岡一教授の協力で製作し、
私たちに提供して下さっていることからお付き合いが始まり、
もう20年近くお世話になっています。
いつも私たちの活動のずーっと先を歩いてくださり、
『科学的により安全と確認されたものを提供する・・』という
活動理念の中で企画、製作された1つが『アンジーナ』シリーズです。

パラベンの毒性が改めて2005年8月25日の朝日新聞のトップページに掲載されたことから、
『アンジーナ』はアトピーの子ども達だけではなく、
過敏症のない大人にとっても、安全で安心できる商品です・・
と新聞の記事と一緒にお便りがありました。

『化粧品の防腐剤として使われているメチルパラベンに、
細胞の老化促進作用が確認された』

という新聞報道は、今まで知られていた皮膚に過敏作用に加えての作用といえます。

“ぐるーぷ・みるめ”“プラムフィールド”で手に取る事が出来ます。
ご来店の際はご覧下さい。


『ノンパラシリーズ アンジーナ』のホームぺージは以下の通りです。
http://www31.ocn.ne.jp/~anzena/index.html




HOME > 馬場利子メッセージ > 化学物質 > 石けん生活
2005'11
私たちにできること…しましょう!!
“石けん生活”
シリーズ@ 05’11月通信
プラムフィールドは石鹸生活を提案します!!
『合成洗剤は細胞を破壊する』坂下栄著
『合成洗剤は地球を汚す』石川貞二・鈴木紀雄共著 から15年。
合成洗剤の人体への影響が化学者・医学者から指摘されはじめて 30年になります。
環境問題が人々の関心となった今「環境を浄化する」というセールストークで
毒性のきわめて強い合成洗剤が売られています。
それにとても高額です。
残念ながら現在“安全な合成洗剤”はありません。
「合成洗剤はなぜ、どのように生命を害するのか?」
プラムフィールド通信はシリーズでお伝えしたいと思います。

合成洗剤は環境ホルモン作用が明らかな化学物質を成分とするものも多くあり、
水生生物だけでなく、子供たちや私たちの体だけでなく、
飲み水にも残留するようになっています。
子供たちの未来に私たちに出来る事を!



【資料 合成洗剤等の「ウニ卵の発生による毒性実験結果」】
試料名発売元用途成分評価未受精卵
に対する
安全濃度1
ppm
受精卵
に対する
安全濃度2
ppm
ディッシュ・ドロップアムウェイ野菜果物食器LAS
アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム
脂肪酸アルカノールアミド
0.10.01
SA8アムウェイ洗濯用ポリオキシエチレンアルキルエーテル
アルキルアンモニウムクロライド
ケイ酸塩
酵素他
0.10.01
ダッシュライオン洗濯用LAS
アルファオレフィンスルホン酸ナトリウム
ポリオキシエチレンアルキルエーテルナトリウム
0.010.1
メルシーK(液)アンファティ台所用アルファスルホ脂肪酸エステルナトリウム
ポリオキシエチレンアルキルエーテル
脂肪酸アルカノールアミド
0.10.01
*マイルーラ大鵬薬品工業殺精子剤ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル他0.010.01
ティモテエクストラマイルドSp日本リーバシャンプーポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩
パラベン
サリチル酸塩
ジブチルヒドロキシトルエン他
10.1
レモンチアーP&G洗濯用アルキルスルホン酸トリウム
ポリオキシエチレンアルキルエーテル
アルキル硫酸エステルナトリウム
0.10.1
ホームドライD日本飾糸ホームドライクリーニングポリオキシエチレンアルキルエーテル
アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム
フッ素ソルベント
10.1
キッチンスピカスピカコーポレーション台所用ヤシ脂肪酸アルカノールアミド
ヤシアルコール硫酸エステルナトリウム
0.11
スピカ全身シャンプースピカコーポレーション全身シャンプーヤシ脂肪酸アルカノールアミド
ヤシアルコール硫酸エステルナトリウム
クエン酸
0.11
ナチュールベラホームケアージャパンシャンプーポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩
エデト酸塩
オキシベンゾン
パラベン他
0.10.1
クレオアンキッチンサンポークリーン台所用トールオイル脂肪酸
アミノソープ脂肪酸
オイレン酸他
0.10.1
リジョイP&Gシャンプーポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウム
ポリプレングリコール
ステアリルアルコール他
11
スーパーマイルド資生堂シャンプーアシルメチルタウリン
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン
ヤシ油脂肪酸ジェタノールアミド
パラベン
安息香酸塩
101
サンブリアン玄米菜食の会台所用アルキルベタイン101
モア花王台所用AG(アルキルグリコシド)
ポリオキシエチレンアルキルエーテル
101
ママローヤルナチュールライオン台所用アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム
αオレフィンスルホン酸ナトリウム
脂肪酸アルカノールアミド他
11
ミスウォシュ小林製薬洗濯
(生理)用
アルキルスルホン酸ナトリウム
ポリオキシエチレンアルキルエーテル
アルキル硫酸エステルナトリウム
11
クレイロールパターンズ
100EX
ブリストルマイヤーズシャンプー 安息香酸塩
エデト酸塩
パラベン他
11
メルシーWアンファティ洗濯用天然ヤシ油アルカノールアミド
ポリオキシエチレンアルキルエーテル
アルキル硫酸エステルナトリウム
過炭酸塩他
11
アルエット丹平製薬哺乳瓶野菜
1010
ビオレU
(ベビーケアー)
花王身体洗浄トリエタノールアミン
プロピレングリコール
オキシベンゾン
ジブチルヒドロキシトルエン
1010
ベビーケアーシャンプーb花王シャンプーポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム
ジブチルヒドロキシトルエン他
1010
ナチュラルソープホームメイド三菱商事他用途非イオン系10100
生協石けんシャンプーコープ神奈川シャンプー脂肪酸カリウム(純石けん分)
脂肪酸アミド
アミンオキシド
100100
パクスナチュロンシャンプー太陽油脂シャンプー石けん100100
天然油脂石鹸(ローブ)暁石鹸洗濯用石けん100100


評価 Aほとんど無害 Bやや有害 C有害 D非常に有害 Eきわめて有害

*マイルーラ 598・599号に詳しい実験データがあります。

◆実験は100ppm、10ppm、1ppm、0.1ppm、0.01ppmの5段階の濃度でなされました。
(1990年9月7日 消費者レポート 第766号)




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2005'12
私たちにできること…しましょう!!
“石けん生活”
シリーズA 05'12月通信
プラムフィールドは石けん生活を提案します!!

合成洗剤はなぜ危険なのでしょう?

質問.洗濯用合成洗剤を溶かした洗濯水を四倍の水で薄めました。
   この中にめだかを入れるとどうなるでしょうか?

答え.家庭で洗濯に使用している合成洗剤液を四倍の水で薄めると、その中の界面活性剤の濃度は50ppm(0.005%)程度になります。
(1回使用量=水30Lに対し、洗剤20g。洗剤の40%が会面活性剤成分で四倍の水で薄めると計算して。)
環境チャレンジ3    この濃度では、メダカは数十分経つと苦しみだしてやがて死んでしまいます。
メダカはえらから水中の酸素を取り入れて呼吸していますが、界面活性剤濃度が50ppmの水中ではえらの細胞が破壊され、血液中の浸透圧調節が不能になり、死に至ると考えられます。
   実験動物(この場合はメダカ)の半数が、24時間以内にどのくらいの界面活性剤濃度で死ぬかという値をTML値と言いますが、メダカの成魚のTML値は、陰イオン系界面活性剤のLAS(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸)で6ppm、孵化したばかりのメダカでは1ppmです。
   日本の河川の多くは、界面活性剤濃度が1ppmを超えている事が報告されています。これではメダカが生きて、子孫を残せる環境とはいえません。その上、農薬などの影響を考えると、このままでは日本の小川からメダカが絶滅する日は近いのです。
   1983年、横浜市戸塚区の鼬(いたち)川で白く濁った洗剤が流れ込み、コイが100匹以上死んだ事件は、当時、大きな話題になりました。
横浜市公害研究所でNMR(核磁気共鳴分析)によって川の水を分析した結果、このコイの大量死はPOER(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)という界面活性剤が19ppm含まれていた事が原因とわかりました。
   POERは、台所合成洗剤やシャンプーなどに多量に配合されている非イオン系界面活性剤です。使用量が増えている非イオン系界面活性剤ですが、水道法では水質基準が定められていません。

『環境チャレンジブックB石けんと合成洗剤』
長谷川治著 合同出版より

★分かり易い文献なので引用してみました。
この冊子はプラムフィールドでも扱っている太陽油脂の研究員である長谷川さんが現わした、子供のための環境ブックです。イラストが全ページにあって、とても分かり易い本です。
読みやすいので、冬休みに親子で読むのもお勧めです。図書館にもあります。

暮らしの中で使うもの・・・
ちょっと心を留めて選びたいですね。






HOME > 馬場利子メッセージ > 化学物質 > 化学物質の排出量
2006'1
私たちにできること…しましょう!!
“化学物質の排出量”
 有害性のある多種多様な化学物質がどれくらい製造され、環境中にどれくらい排出されているかというデーターを集計し、公表する仕組みが、平成14(2002)年12月より国のの法律で整いました。
 「特定化学物質の環境への排出量の把握等 及び管理・改善の促進に関する法律」
といいますが、この条文の中ではっきりと
「当該化学物質が人の健康を損なうおそれ、又は動植物の生息もしくは生育に支障を及ぼすもの」と定義されています!!(国のおすみつきですよ!)

 その法律によって公表されたデーターを見てみると 静岡県は愛知県と並んで排出量日本一です。(化学産業が集中しているという事です)

2003年のこのデーターによると
家庭からの有害化学物質の排出量の上位10の中に 合成洗剤の成分3種が入っています。

全ての生命と未来のために 石けんを使いましょう。


 国は有害な化学物質だから、どれくらい作られ、環境にどれくらい排出されているのか、多く税金をかけて調べています。
“エ〜〜ッ?!” “調べるだけなの?!”
(これらの詳しいデーターは 環境省のホームページ で見られます)

資本主義社会では商品は売れなければ作られなくなります。
私たちは主権者です。
未来を創るため、今日、選択しましょう。


危険なものは買わない。
そのために正しい情報が大切です。

2006年1月 「健やかな命のための安全ゼミ」を始めます。





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2006'4/28
環境省から出ている資料
『化学物質による環境リスクを減らすために』について
近日、各地での講演において化学物質について、お話をする時に見ていただいている資料について、皆さんも入手できて参照いただけるものですので、ご紹介します。

発行は
環境省環境保健部環境安全課。
正式の冊子の名称は
『PRTRデータを読み解くための  市民ガイドブック 
化学物質による環境リスクを減らすために  平成15年度集計結果から』といいます。

PRTRとは・・
毎年どんな化学物質がどこから、どれだけ排出されているかを知るために国が集計をし、把握する制度のことです。
平成11年に制定された『化学物質排出把握管理促進法』によって、事業所や家庭、自動車などから排出される化学物質の量を把握し、公表されています。
その実際のデータは膨大ですが、この冊子は市民ガイドブックの形になっていて、化学物質による環境リスクを減らすために私たち市民が出来ることをかりやすくまとめてあります。

何がお勧めかといいますと!!
★人の健康を損なうものとして・・「染料や合成洗剤、薬、農薬、防虫剤など」と明記していること
★家庭で出来ることの中で、消費財の購入を見直すことなどが具体的に提案されていること
など、私が20年近く、他の研究者のデータを示してお話してきた事が、国の発行した資料の中に はっきりと書かれています。

入手方法は、
1)インターネットで 環境省のホームページ からダウンロードできます。
2)環境省 電話 03−3581−3351 内線6358 で申し込み、送料を貼った返信用封筒を送って

表記も文章も市民向けの冊子なので、イラストや図が多く使われて分かりやすくなっています。
小学校の高学年や、中学、高校生の環境学習にも利用できると思います。

無料の資料です。
手にとって見てくださると、きっと
“人の健康を害する恐れがある物質が分かっているなら、なぜ、排出を規制しないのか?”
という疑問が湧いてくると思います。
そんな時は、 優しく、丁寧に環境省へ市民の願いを電話して直接、伝えてくだされば嬉しいです。

市民がどんな希望を持っているのか、直接聞く機会の少ない国の優秀な職員の方へ伝えるのも・・ 市民参加の未来つくりの第一歩だと思います・・・。どうぞ、よろしく!

(お知らせは、数字大好きの馬場利子でした)2006年4月28日記




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2006'7/26
夏休み エコ・アクションのおすすめ!!
“化粧品の毒性”

汗をかく季節・・・子供たちも体を清潔にしたくなる季節です。
お年頃になれば、朝シャン・ちゃぱつ・脱毛・制汗など・・・
夏は   汗+紫外線+化学物質 トリプルパンチで肌も体もちょっとたいへん。
せめて自分で使うものの表示を見て、どんな作用があるかを調べる習慣 を子供たちと一緒に、夏休みに始めてみませんか?(自由研究に最適!!)

シャンプー・リンス・ボディーシャンプー・日焼け止めクリーム・染毛剤・脱毛剤・制汗剤・・・
エデト酸塩
(変質防止剤)
皮膚や粘膜、目の刺激性・喘息・発疹などのアレルギーの原因となる。
口から入ればカルシウム欠乏症を招き、血圧降下・腎臓障害を起こすと言われる。
タール色素 発がん性が報告されている。
黄色4号・赤色219号・黄色204号は黒皮症の原因となる。
赤202号は口唇炎やアレルギーを起こしやすい。
オキシベンゾン
(紫外線吸収剤)
皮膚から吸収され、急性致死毒性がある。
少量でも飲み下すとむかつき、吐き気を起こす。
多量では循環系の衰弱、虚脱、呼吸促進、麻痺、ひきつけ、口と胃腸の壊死、黄疸、呼吸困難、心臓停止による死などを招く。
ベンジルアルコール 皮膚、粘膜への刺激、腐食性がある。
安息香酸塩 皮膚、粘膜、目、鼻、咽頭、に刺激。
飲み下すと胃障害。
多量で過敏状態、尿失禁、痙攣、運動失調、てんかん様痙攣など強い毒性。
トリエタノールアミン 皮膚から吸収され、皮膚、粘膜、目を刺激する。
発がん性の報告がある。
(亜硝酸と反応して発がん性ニトロソ化合物を作るとされる)
ジブチルヒドロキシトルエン 皮膚炎、過敏症を生ずる。
飲み下すと血清コレルテロール上昇、異常行動を起こす。
発がん性の疑い、変異原性がある。
体重低下、脱毛が報告されている。
プロピレングリコール(保湿剤) オートマティック・ブレーキ、作業油、産業用凍結防止剤に配合されている。
染色体異常を起こしたり、摂取しすぎると、赤血球の減少、肝臓、腎臓、心臓、脳への障害を招くことがある。
その他に皮膚の細胞の発育を抑制したり、皮膚炎の原因にもなる。
ラウリル硫酸ナトリウム 値段も安く、少量でよく泡立つので、ほとんどの商品に使用されている。
ラウリル硫酸ナトリウムは、強力な洗浄剤、湿潤剤で、車庫用フロアクリーナー、エンジン洗浄剤、自動車洗浄剤に配合されている。
科学者の間では「肌への刺激物」としてよく知られている。
ラウリルエーテル硫酸塩 この物質の小さな分子が皮膚に浸透し、血流に乗って、脳、心臓、腎臓、肺に蓄積される。
ダイレクトに血液内に発ガン物質を送り込む。
傷の治癒を遅らせる。


大人なら化粧品、香水など厚生労働省の表示から有害化学物質毒性の一部を引用してみました。 詳しい指定成分の毒性を示した表 「化粧品毒性テーブル」 はプラムフィールドに(一部300円)掲示してありますので、見てくださいね。
2006’7/13 馬場利子




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ワークショップ報告

“化学物質の健康への影響と上手な付き合い方”
〜環境省 化学物質のリスクに関わる国際シンポジュームを受けて〜

2009年2月11日  馬場利子
保存・印刷される方はこちらから→P1~10


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2009'6/2
“化学物質の脳への影響”
 発達障害のリスク調査について〜(その1)

 近年、文部科学省は、学習困難な子どもたちの増加に対して、指導方法や学習支援制度を作り、 発達障害や情緒障害の診断について、現場である小中学校へ様々な通達を出し、対応をしていますが、 地域の中でも、『発達障害』という言葉を聞くことが多くなっているように思います。
少し前まで、授業中に勝手に席を立っていってしまう子や、友達と上手く会話が出来ない子、 自分勝手な行動をする子は『親のしつけが悪い』と家庭教育の問題のように言われていましたが、 現在では、そうした子どもの行動は『脳そのものの微細な障害による機能不全の現れ』である事が分かっています。

子供たちの脳に今、何が起こっているか?
1つのデータとして、2002年の文部科学省の調査では、東京都の就学全児童の6.7%(17人に1人)に 軽度発達障害が認められると報告しています。
 発達障害は脳の機能が造られる胎児期に神経回路が正常に作られず、 特定の行動がうまくできなかったり、 学習の能力にバラつきがでる状態なのですが、文部科学省は発達障害が子どもたちに多く起こる事態を重く捉えて、 2001年から2006年に『化学物質の脳への影響』 の研究を黒田洋一郎博士ら5大学の研究グループに依頼して報告をまとめています。
この研究は胎児期の脳の発達を阻害する物質の作用について知ろうとしたもので、 研究の内容は、@甲状腺ホルモンに似たPCBが知能低下、発達障害などを起こす物質であること。
A殺虫剤の成分であるピレスロイド(匂いのない防虫剤の成分)が、学習などのあらゆる後天的行動の獲得を阻害すること。
B農薬が脳の情報伝達をする神経シナプスの発達を阻害することなどが報告されています。

脳の発達と環境化学物質
人間の脳は数多くの生体化学物質の反応によって学習や運動、行動、感情のコントロールなどを可能にしていますが、 体外から人工的な化学物質が入り込むと脳内の生理的な反応が撹乱されたり、 脳の発生時期に神経を障害したりする事が明らかになりつつあります。
生理的な脳内物質と外因性生体攪乱化学物質の問題は、環境ホルモンの問題と全く同じ問題であるといえます。

化学物質と生物の健康について、少し情報を整理する事によって、健やかな命を繋ぐ事ができる事を願って、 詳しいお話は、次号でお伝えさせていただきます。
    
(2008,12、23記)
環境カウンセラー 馬場利子(静岡市在住)




HOME > 馬場利子メッセージ > 化学物質 > 化学物質の脳への影響
2009'6/2
“化学物質の脳への影響”
 発達障害のリスク調査について〜(その2)

前号で化学物質と子どもたちに多くなっている発達障害の機序について、お話しましたが、 発達障害のスクリーニングは3歳児検診や就学時検診で、チェックするようになっています。
それだけ、発達障害児が多くなっているという事と早期発見によって、個別の支援教育を始めるために行われます。

発達障害はどうして起こるのか
発達障害は胎児期の妊娠3週から4週前後に、化学物質によって脳の細胞の発達を阻害するために起こる脳の機能障害で、 障害を受けた脳の機能は医学的には良くも悪くもならないと言われています。
なぜ、化学物質によって、脳が傷害されるかといえば、胎児期に脳が作られる時期に、自然な脳の発達に必要な体内物質が、 外部から取り込まれた化学物質によって、疎外されるために起こることが分かっています。
脳の機能は多岐にわたっていますから、知能、運動能力、情緒、感情、認識、記憶など、障害の症状は様々、 個別の問題を示す事になります。

2010年、環境省が大規模な実態調査を始めます
1997年、先進8カ国の参加による子どもの環境、保健に関する環境大臣会合が開催され、 子どもの環境保健を最優先事項とする「マイアミ宣言」が採択されました。
これを受けてアメリカでは、「環境保健リスクと安全リスクに対する小児の保護」が発令され、 欧州では、健康影響や健康ハザードから子どもを守るために必要な研究や施策を優先事項とすることが明確化されました。
すでに、アメリカ、ノルウェー、デンマーク等では、国家プロジェクトを開始しています。
日本でも、かなり遅れましたが、環境省が2007年より、小児と環境リスク(化学物質のリスク)をテーマとした 全国調査を行うために検討委員会を立ち上げ、化学物質と子どもたちの健康状態の変化について、以下の点が確認されています。


  • 免疫系疾患(喘息、アレルギー、アトピーなど)の増加
  • 代謝・内分泌系異常(小児肥満、小児糖尿病など)の増加
  • 生殖異常(不妊、流産、男児の出生率の低下など)の増加<
  • 神経系異常(自閉症、キレやすい子、LD〈学習困難〉など)の増加
  • 先天性の異常(ダウン症,水頭症、尿道下裂など)の増加

環境省は、2010年から6万人の妊婦を対象に、母親の化学物質汚染濃度を測定し、 その後、生まれてきた子どもの体内化学物質濃度と発達状況を12年間、追跡調査をすることにしています。
 (詳細は環境省の http://www.env.go.jp/chemi/ceh/gaiyo/ 参照)
環境省は2007年の検討委員会立ち上げから、2025年の「小児の発育の影響を与える環境要因の解明」 の中間取りまとめまで、 毎年、多くの税金を使ってこの調査を行う訳ですが、その目的の1つに『化学物質規制の審査基準へ反映』する事が挙げられています。
国が企業活動を規制したり、化学物質の排出抑制を法的に行うためには、科学的に、人的被害を証明する必要があるため、 このような調査が必要となるわけです。
いのちと環境に関心を持っている私たちにとっては、「今頃ですか?!」とため息が出てしまうのですが、 国が調査をするということは、すでに被害や障害を放置できないほどになっているという証し でもあります。

国の規制を待つまでもなく、化学物質のリスクを減らす暮らしを!
暮らしの中の化学物質は子どもたちの健康に影響を与えているだけでなく、 動植物にも大きな影響を与えている事は、すでに多くの科学者が指摘しています。
レイチェル・カーソンが『沈黙の春』を現したのは、1962年。
DDTを始めとする農薬 などの化学物質の危険性を、鳥達が鳴かなくなった春という表現で、 私たちに未来の地球の姿を警告してくれましたが、その言葉に耳を傾けて、暮らし方を見直してきた人々と、 全く関心を示さなかった人々がいました。
自分たちの健康に直接、被害が及ばなければ『無害』とする考え方は、 致死量や安全基準値以下であれば安全としてきた国の考え方と同じですが、 1997年以来、農薬などの化学物質は、安全基準値よりはるか微量であっても作用を及ぼすという 『環境ホルモン作用』が、科学的に証明されるようになっています。


人や環境に影響を及ぼす化学物質の代表的なもの
★合成洗剤 ★農薬 ★塗料 ★化粧品 ★薬 ★食品添加物など


  合成洗剤は環境ホルモン作用があると、環境省も指摘しています。
合成洗剤は水中生物を殺すだけでなく、精子を殺傷する作用もあります。
いのちや細胞を殺す物質が、人に安全であるという事は、考えられません。
同じように農薬についても、化粧品についても、薬についても、 そのリスクをちょっと考えてみると・・・不安なものは使わない、 というとても簡単な暮らし方が見えてきます。
1人、1人が暮らしの中で出きることを!

発達障害の2次障害を未然に防ぐためのリハビリ教育の重要性
化学物質による様々な健康被害の中で、私が長い間、一番憂慮して関心を持って追跡研究をしてきた問題が、 『発達障害の子どもたち』のことでした。
発達障害の人に総てに該当する症状が『言語障害』(言語認識力の未熟さ、言語化の未熟さ)であると医学的に言われています。
発達障害は子どもたちだけでなく、大人にも見られる(現在、40代の人でも4〜8%)といいます。
言葉の認識力不足は、人と人が理解しあったり、相手の事を思いやったりする『心の交流』を困難にするだけでなく、 本人の孤独感、疎外感は計り知れず大きいと思われます。
子どもへの虐待や利己的な犯罪を起こす人の中には、発達障害であることが分からないまま放置された結果、社会的適応が困難となり、 反社会的な行為に及ぶ事も指摘されています。
この点については次回、お話してみたいと思います。
(2009年2月27日・記)
環境カウンセラー 馬場利子(静岡市在住)




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2009'6/2
“化学物質の脳への影響”
 発達障害のリスク調査について〜(その3)

前回までに、化学物質と子どもの健康について、リスク評価を行うために、 環境省が2010年から6万人の妊婦を対象に、母親の化学物質汚染濃度を測定し、 その後、生まれてきた子どもの体内化学物質濃度と発達状況を12年間、追跡調査をする事をお伝えしました。
  (調査の詳細は環境省の http://www.env.go.jp/chemi/ceh/gaiyo/ 参照)

環境省は、2007年の検討委員会立ち上げから2025年の「小児の発育の影響を与える環境要因の解明」 の中間取りまとめまで、毎年、多くの税金を使ってこの調査を行う訳ですが、 それに先駆けて、昨年12月14日、15日には環境省主催で『化学物質の環境リスクに関する国際シンポジュウム』 が開催され、アメリカ、オランダ、韓国、デンマーク、ノルウェー、香港など各国の研究者と日本国内の研究者が 化学物質と子どもの健康について多くの研究が発表されました。
そのシンポジュームでは、化学物質による小児の喘息、先天性欠損(口蓋裂、尿道下裂など)、 ダウン症、読字障害、注意欠陥多動障害、自閉症、統合失調症、肥満、異常な出産の増加が数字を挙げて報告されました。
 このような健康被害が医療の現場で分かっていたならば、被害がこれほど大きくなる前に、 なぜ、医学の専門家や行政関係者は、将来起こるであろう子どもの健康リスクを下げるために、原因を究明しようと努力しなかったのか、 残念でなりませんでした。
 専門家や行政、政治に任せていては、未来のために今、出来る事を逃がしてしまうとさえ、感じました。
と同時に、今まで私たちが“健やかな命を繋ぐ暮らしと環境”について、学び、 必要の無い化学物質を買わない、使わない暮らし を心がけてきたことは、間違ってはいなかったのだと、確信する機会となりました。
 化学物質が、地球の生命史上、かつて無いほど蔓延し、健康被害を及ぼしている事は、 子どもや人だけでなく全ての命を脅かしている事は間違いありません。
特に化学物質の影響をより大きく受けるのは、こらから生まれてくる命(胎児期から新生児期)ですが、 その影響は、先天的な身体的奇形と脳の機能障害として起こる読字障害、注意欠陥多動障害、 自閉症、統合失調症などの発達障害といわれるものがあります。

発達障害の子どもとどう育ちあうか
 私は、25年前、長男が乳児だった時に、ドイツの母乳のダイオキシン汚染データを知って自分の母乳を測定したことから、 母乳のダイオキシン汚染の現実と向き合わねばならなかったのですが、 その頃、すでにアメリカでは、母乳の汚染と乳児の健康リスクについて、 今、日本で問題となっている発達障害児の1原因となる可能性について指摘する研究論文がありました。
その論文を読んで、私が強く不安に感じた事は、身体的障害は医学的にも教育システムも、 社会制度として対応が進んでいましたが、 コミにケーションや感情、行動、思考、学習などの障害は、社会的な生活を余儀なくされる人間にとって、 身体的障害よりも大きな問題を抱える事になるだろうという事でした。
 環境汚染から考えれば、わが子がそうした障害を持つ可能性と、他の子どもに障害が現れる確率は全く同率で、 どの子がそうした障害を得ても不思議はないと思われました。
 このままの暮らしを皆が続ければ、障害を持つ子どもの数は確実に増えていくに違いないと感じた私は、 25年前から、化学物質と子どもの脳の発達(発達障害)について関心を持ち、 生活者自らが、出来うる限りの予防原則に則って、 化学物質の使用を減らして暮らすように活動を始めたのでした。
 しかし、現実には、環境省の国際シンポジュームで指摘されたように、 環境に潜む化学物質はすでに多くの子どもたちにリスクを背負わせることになってしまいました。
 そこで、私から2つお願いがあります。
1つは、当然のことながら、今まで通り、暮らしの中で化学物質の使用を極力減らし、 さらに、命を脅かす環境汚染を無くしていくように、周りの人々に環境省が報告している 『化学物質の環境リスク』 について伝え、共感してくださる人が自立的に暮らしを見直しいけるように、 手を繋いで欲しいという事です。未来を創るためです。

2つ目は、もし、皆さんの周りで、すでに発達障害と診断されたお子さんや、 思考的、生活的に発達に障害が見られる子がおられるようでしたら、 その子にはどのようなサポートや協力が必要なのか、保護者の方とフランクに話せる関係、 地域力を養う努力をお願いしたいという事です。これも、未来を創るためです。

 今は、小・中学校には必ず1校に1人“支援教育コーディネーター”の教師がおかれる取り決めになっています。
しかし、専門の教育を受けた支援教育コーディネーターの教師は、まだ、1県に何人も居ません。
ですから、発達障害について理解していない教師も多く居ます。
発達障害の子どもたちにとって、誤った自己評価を下されたり、周りの人の無理解からくる言葉の暴力は、 自尊心を傷つけられ、自己肯定の心を失って、被害者意識に固まったり、孤立感から社会生活を否定し、 引きこもったり、社会そのものに対して攻撃的な行動をとる二次障害を起こす原因となると言われています。
 社会と無縁で生きられる人はいません。人と人の関わりの中で、どう幸せに暮らしていけるか、 精神的な人為的環境を理解していく努力がこれから大きく問われていくと思います。
生きにくい子どもたちの育ちを見守る中で、私たちが社会の中で何を必要としているか、 新しい発見をしながら社会を創っていきたいと切に願います。
 皆さんと一緒に・・・。 
(2009,5,28記)
環境カウンセラー 馬場利子(静岡市在住)
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