がんや動脈硬化につながる食品ワースト3

馬場利子 - 食べもの
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2007年2月1日 通信より

食べ物の知恩・・・(転載記事 ≪短命の食事 長命の食事≫

丸元 淑生 まるもと よしお 
1934年大分県生まれ。東京大学文学部仏文科卒。作家、栄養学ジャーナリスト、料理研究家。

 

 アクリルアミドは発がん性の疑いがもたれている有害物質だが、でんぷんを多く含んでいる食品を、120度以上の温度で加工すると生成される。
そして、温度が高いほど、また加熱時間が長いほど、その量が増える。

 つまり、揚げ物をすると、酸化した油から生まれる有害物質の過酸化脂質の他に、アクリルアミドというやっかいな物も生み出されるのだ。

 生成されるアクリルアミドの量は、過酸化脂質に比べて桁違いに少ないので、健康上の脅威にはならないと主張している専門家も多いが、重要なのは加熱する温度が高くなると急カーブを描いて生成量が増えることだ。

 厚生労働省の研究報告では、揚げ油の温度を10度下げると、アクリルアミドの生成量は半分以下になっている。

 過酸化脂質も揚げ油の温度が上がると生成量が増えるので、同じ揚げ物でも、170度で揚げたものに含まれる有害物質は、160度で揚げたものとは同一視できない量になっているのだ。

 そして、食べるとそれが一度に入ってくる。
動物実験の結果では、実際に体に吸収されるのは3%くらいだが、体内で生成される量に比べると多量で、体はそれを無害化するための対応を迫られることになる。だから高温で揚げた揚げ物を食べるたびに、体は緊急事態を招くわけで、無害化するために必要な抗酸化物質が不足していると、健康上の大きな脅威になる。

 加工食品も高温で揚げたものがあるので、過酸化脂質やアクリルアミドを含んだものが多い。

 過酸化脂質を多く含んだものを挙げると、 ポテトチップス、かりん糖、クッキー、フライドポテト、インスタントラーメン、各種半調理品。

 アクリルアミドを多く含んでいる食品のワースト3は、 ポテトチップス、かりん糖、フライドポテトだ。

 こういう商品を避けて、揚げ物料理の回数を減らし、揚げる温度を下げることが長寿につながるが、その逆の食生活をしている人の血液中の過酸化脂質の値は高くなる。
 ポーランドでの研究によると、それは動脈硬化と心臓血管障害に結びついている。

最終更新 2011年 8月 21日(日曜日) 11:53