石けん生活を提案します!! ②

馬場利子 - くらし
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2005年12月1日通信より

合成洗剤はなぜ危険なのでしょう?

 

質問.洗濯用合成洗剤を溶かした洗濯水を四倍の水で薄めました。
    この中にめだかを入れるとどうなるでしょうか?

答え.

家庭で洗濯に使用している合成洗剤液を四倍の水で薄めると、その中の界面活性剤の濃度は50ppm(0.005%)程度になります。
(1回使用量=水30Lに対し、洗剤20g。洗剤の40%が会面活性剤成分で四倍の水で薄めると計算して。)


tyarennjibukku3    この濃度では、メダカは数十分経つと苦しみだしてやがて死んでしまいます。
メダカはえらから水中の酸素を取り入れて呼吸していますが、界面活性剤濃度が50ppmの水中ではえらの細胞が破壊され、血液中の浸透圧調節が不能になり、死に至ると考えられます。

   実験動物(この場合はメダカ)の半数が、24時間以内にどのくらいの界面活性剤濃度で死ぬかという値をTML値と言いますが、メダカの成魚のTML値は、陰イオン系界面活性剤のLAS(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸)で6ppm、孵化したばかりのメダカでは1ppmです。


   日本の河川の多くは、界面活性剤濃度が1ppmを超えている事が報告されています。これではメダカが生きて、子孫を残せる環境とはいえません。その上、農薬などの影響を考えると、このままでは日本の小川からメダカが絶滅する日は近いのです。


   1983年、横浜市戸塚区の鼬(いたち)川で白く濁った洗剤が流れ込み、コイが100匹以上死んだ事件は、当時、大きな話題になりました。
横浜市公害研究所でNMR(核磁気共鳴分析)によって川の水を分析した結果、このコイの大量死はPOER(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)という界面活性剤が19ppm含まれていた事が原因とわかりました。


   POERは、台所合成洗剤やシャンプーなどに多量に配合されている非イオン系界面活性剤です。使用量が増えている非イオン系界面活性剤ですが、水道法では水質基準が定められていません。

 

『環境チャレンジブック③石けんと合成洗剤』
長谷川治著 合同出版より
★分かり易い文献なので引用してみました。
この冊子はプラムフィールドでも扱っている太陽油脂の研究員である長谷川さんが現わした、子供のための環境ブックです。イラストが全ページにあって、とても分かり易い本です。
読みやすいので、冬休みに親子で読むのもお勧めです。図書館にもあります。

暮らしの中で使うもの・・・
ちょっと心を留めて選びたいですね。

 

最終更新 2011年 8月 21日(日曜日) 07:22