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原子力発電

福島原発周辺の放射能汚染測定報告

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2011年4月5日記
「福島原発事故を受けて、浜岡原発の運転停止を願う市民有志」
代表 馬場利子(プラムフィールド代表)
 
 長年、 『原子力安全ゼミ』http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/index.html を行って下さっている研究グループのメンバーである今中哲二さんより、以下のメールを受け取りました。
 

 

先の安全問題ゼミでの福島原発事故問題の延長として、3月28日、29日の両日、
飯舘村周辺での放射能汚染調査を実施し、下記に暫定報告をまとめました。

  http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/seminar/No110/iitatereport11-4-4.pdf 何かのご参考になれば幸いです。

4月4日 今中哲二
京都大学原子炉実験所
590-0494大阪府泉南郡熊取町

 

今中さんたちはチェルノブイリ原発事故後も、現地で放射能測定をしたり、様々な研究を私たち市民にも公開し、そのHPには過去の原子力ゼミの記録も掲載してあります。

 

毎日、テレビやラジオの報道で伝わってくる『人体に影響がない』『チェルノブイリ原発事故と違って、心配はない』という専門家(?)のコメントと比較してご覧くださると、有用な情報が得られると思います。
『東海地震と浜岡原発』についても、原子力安全ゼミで何回か取り上げられています。


また、この調査に参加された小澤祥司さん(日本大学生物資源科学科)より、以下のメールをいただきました。
飯舘村に具体的な提案をして下さっている事を私たちも知っておきたいと思います。

 


 

同報告書は、飯舘村の南部を中心に30kmの圏外であっても高い放射能汚染地域が存在すること、一部地域では、15日以来の累積で国の指標によって「避難すること」とされる被曝量に達しつつあること、土壌への高濃度放射性セシウム沈着が見られること、などが明らかになったとしています。
この汚染は、15日朝、第一原発2号炉の格納容器破壊に伴い放出された放射能雲が飯舘村付近に達し、折からの雨や雪で降下、沈着したものと思われる、とのことです。

 

 広島大学の遠藤准教授らには、迅速にサンプルの分析を進めていただき、結果をまとめていただきました。
実に貴重なそして重要な報告であると思います。
また、見る人が見れば、メディアに伝えられている以上に、深刻な事態であることがわかると思います。

 この報告書を受け、飯舘村後方支援チーム(代表:糸長浩司日本大学生物資源科学部教授)としては、 村に対して以下の提案を行いました。

  1. 道路・建物敷地での徹底的な除洗を、国または県に要請する
  2. 南部の曲田等の土壌の放射性物質の蓄積による放射能線の高濃度地区住民は、村外か、村内の比較的濃度の低い地区等に当面避難する
  3. 子ども・妊婦は、村外への避難が望ましいが、最低でもコンクリート建物内に避難して頂く
  4. 外での農作業等は極力控える


 もとより、今回の放射能汚染に関して、村には何ら責任はありません。
しかし、村は屋内避難勧告地域に一部がかかるだけで、大半が圏外であるため、国や県からの明確な勧告や支援を得られていません。
こうした状況に鑑み、後方支援チームとして国や県に対して、以下を要望いたします。

  1. 30km圏の線引きにこだわらず、汚染状況に応じたきめ細かい対応・対策と支援
  2. 既に文科省等が実施してきた土壌調査の結果の速やかな公開
  3. 今後中長期にわたる詳細なサーベイの実施とその結果の公開
  4. すみやかな汚染除去対策の実施
  5. 村民に対する健康管理の実施
  6. 避難や今後の対策にかかわる費用の補償

 またこれらの内容をリリースにして、各メディアや政党、NGOなどに送りました。

 今後とも飯舘村への皆様の温かいご支援・ご協力をお願いいたします。

2011,4,5

最終更新 2011年 8月 20日(土曜日) 08:15
 

浜岡原発容認から、確実に変化をしています!

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2011年4月2日記
「福島原発事故を受けて、浜岡原発の運転停止を願う市民有志」
代表 馬場利子(プラムフィールド代表)
 
本当に多くの方から、浜岡原発を止めるための活動やアクションについて、お知らせを頂いています。
その全てを掲載し、ご報告することは出来ませんが、
静岡県内の地方自治体でも、原発震災を防ぐために、意見書を採択したところがあります。
 
確実に、浜岡原発の安全性を憂慮する県内自治体が増えています。
共感できる決議や要望を挙げてくれている自治体には、お礼と期待を伝えていきたいと思います。
 
● 三島市議会
「震災による原発事故を防止するための抜本的な対策を求める意見書」を3月18日に採択。
 
● 富士市議会
3月24日、全会一致で採択、内閣総理大臣、経済産業大臣、原子力安全委員会委員長、 静岡県知事、衆議院議長、参議院議長あてに提出しました。
 

この件について、富士市議会議員のKさんより以下のメールを頂きました。

「富士市議会では意見書を採択しましたが、点から点の動きで今のままでは拡がりがありません。
市町議会は、既に3月議会が閉会し、大半の議会が4月の統一地方選に向けて動き出しており、
これ以上の拡大は期待できません。
より多くの方にこうした動きがあることを知っていただくとともに、
市町の行政当局の後押しに役立つよう、広報をよろしくお願いします」

 

県内は統一地方選挙であわただしい時期だと思いますが、皆さんの地域議会でも
国や県知事に意見書を挙げてもらえるよう、アクションをお願いします!
 
● 県内自治体も動き出しています!
 
 
 東日本大震災による東京電力福島第1原発(福島県)の事故を受け、
中部電力浜岡原発(御前崎市佐倉)から半径30キロ圏にある
藤枝、焼津、袋井、磐田4市の市長と市議会議長が30日、静岡市葵区の中電静岡支店を訪れ、
10キロ圏の地元4市(御前崎、牧之原、菊川、掛川)が中電と締結している安全協定の範囲を
30キロ圏まで拡大することなどを求める申し入れ書を、水野明久社長あてに提出した。
 
 申し入れ書はこの他、
「福島第1原発の事故原因などを踏まえて直ちに浜岡原発の施設を点検し、万全な安全対策を実施する」
「プルサーマル計画を含めた浜岡原発の耐震性と安全性を徹底検証し、結果を公表する」
―などを求めている。
 
 4市を代表して原田英之袋井市長が中電の小野田聡支店長に申し入れ書を手渡した。
 
小野田支店長は
「申し入れを社内で真摯(しんし)に検討する」と応じ、
福島第1原発の事故同様、津波による外部電源喪失を想定した総合訓練を29日に実施したことを説明した。
その上で「事故原因が究明されれば、浜岡原発でも対策を講じ、地元への説明もしたい」と話した。
 
 原田袋井市長は
「御前崎、牧之原、菊川、掛川の4市とも連携し、県などにも安全対策強化を訴えたい」と話した。 提出後の意見交換で複数の市長や議長が、
「地元住民が不安を感じている。
福島第1原発の事故の状況や浜岡原発の運用状況に関する説明会を開いてほしい」
「福島第1原発の事故を踏まえた対策を確実に講じてほしい」などと中電側に訴えた。
 
 
 川勝平太知事は
30日の定例会見で、浜岡原発3号機について、福島原発の事故が放射性物質漏えいにまで至ったことで「(震災直後とは)危機の性質が変わった」と説明。
津波対策だけでなく、「今回の事故の全てを踏まえた訓練が必要だ」との認識を示した。
 
 運転再開の条件として、知事は国が指示した緊急安全対策への中電の対応と地元の理解を挙げた。
 
 知事はさらに、岩手県内の被災地視察を踏まえ、
中電が浜岡原発の敷地と前面砂丘の間に建設する防波壁に対し
「耐震性を備えた12メートル以上の壁と聞いているが、それだけでは必ずしも安心とは言えない」と指摘した。
 
確実に、浜岡周辺自治体で、
浜岡原発運転に対しての意見が変化してきています。
私たちの願いを伝え続けましょう!
最終更新 2011年 8月 20日(土曜日) 08:10
 

政府は放射能被害を過小評価している

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原子力発電所の事故、何が問題なのでしょう?
2011年3月27日記
「福島原発事故を受けて、浜岡原発の運転停止を願う市民有志」
代表 馬場利子(プラムフィールド代表)
 
 旧ソ連で1986年に起きたチェルノブイリ原発事故について、
人や環境に及ぼす影響を調べているロシアの科学者アレクセイ・ヤブロコフ博士
25日、ワシントンで記者会見し、福島第1原発事故の状況に強い懸念を示した。
博士の発言要旨は次の通り。

 

=2011/03/27付 西日本新聞朝刊=より

 

チェルノブイリ事故の放射性降下物は計約5千万キュリーだが、
福島第1原発は今のところ、私の知る限り約200万キュリーで格段に少ない。
チェルノブイリは爆発とともに何日も核燃料が燃え続けたが、
福島ではそういう事態はなく,、状況は明らかに違う。

 

 だが、福島第1はチェルノブイリより人口密集地に位置し、
200キロの距離に人口3千万人の巨大首都圏がある。
さらに、福島第1の3号機はプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を使ったプルサーマル発電だ。
もしここからプルトニウムが大量に放出される事態となれば、極めて甚大な被害が生じる。
除去は不可能で、人が住めない土地が生まれる。それを大変懸念している。

 

 チェルノブイリ事故の最終的な死者の推定について、
国際原子力機関(IAEA)は「最大9千人」としているが、ばかげている。
私の調査では死者は100万人近くになり、放射能の影響は7世代に及ぶ。

 

 セシウムやプルトニウムなどは年に1-3センチずつ土壌に入り込み、
食物の根がそれを吸い上げ、大気に再び放出する。
例えば、チェルノブイリの影響を受けたスウェーデンのヘラジカから昨年、
検出された放射性物質の量は20年前と同じレベルだった。そういう事実を知るべきだ。

 

 日本政府は、国民に対し放射能被害を過小評価している。
「健康に直ちに影響はない」という言い方はおかしい。
直ちにではないが、影響はあるということだからだ。

 

 

【福島原発事故関連の基本情報】

(信頼できるサイトです)
原子力資料情報室アワプラネットTV
(参考になるサイトです)
原発事故サバイバルハンドブック

「終焉に向かう原子力」(第10回)放射線被曝事故の悲惨さと避ける道

最終更新 2011年 8月 20日(土曜日) 08:01
 

放射能への対処方法について

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2011年3月25日記
「福島原発事故を受けて、浜岡原発の運転停止を願う市民有志」
代表 馬場利子(プラムフィールド代表)
 

一昨日頃より、水道、農作物への放射能汚染がさかんに報じられるようになり、食べ物の選び方、汚染値をどのように判断したらよいか、電話での問い合わせも多くなってきました。

きっと、皆さんも『放射能の対処方法』について、情報を求めていらしゃるのではないでしょうか?

本日、出版社である七つ森書館より、反原発運動全国連絡会の方が、まとめて下さった 【放射能への対処法】が送られてきました。

『七つ森書館』は反原発科学者(原子力資料情報室創設者)故高木仁三郎さんの著作を多く出版し、毎年、『原子力年鑑』を出版してくださっている出版社です。
また、『七つ森書館』の社長、中里さんは、故高木仁三郎さんの愛弟子でもあり、私自身も既知の人ですので、信頼できる情報を提供してくださっています。

以下に、情報を転記させていただきます。

 

【放射能への対処法】

(3月21日段階、「環境と原子力の話」より)チェルノブイリ事故の放射能が飛来した時に、「放射能110番」という電話相談を行い、電話が鳴り止まないという経験をしました。
そのときにまとめた記録集から放射能への対処法を抜き出し、福島事故用に修正 したものを、下記にアップしました。参考になれば幸いです。
【放射能への対処法】

 
(Q1) 福島原発事故で放出された放射能が各地で検出され、福島、茨城、栃木、群馬の各県産ホウレンソウ、かき菜と、福島県産の牛乳が出荷停止になりました。
なにが問題で、なにを控えたらよいのでしょうか。
(A1)

問題になっているのはヨウ素131という名前の放射能です。
これが大変多い牛乳、葉菜類などはしばらく摂取するのを控えたほうがよいでしょう。

 

(Q2) 「ただちに健康被害がでるレベルではない」と説明されていますが。
(A2)

放射能にはこれ以下なら安全という量は存在しません。
ただちに症状がでるようなレベルでなくても、安全とは言えません。
その濃度の放射能を取り込んだ集団の中から何人かのがん患者が発生します。
したがって許容濃度は「辛抱量」なのです。
どんなに放射能が少なくても、影響がゼロということはありません。
影響の出る率が小さくなるだけです。

 

(Q3) 放射能にはいろんな種類があると聞きましたが、なぜヨウ素131が特別に問題になるのでしょうか。
(A3)

ヨウ素131は、自然界には本来ない放射能で、原発事故のとき、空気中に飛び散りやすいものです。
ヨウ素(ヨードともいいます)が動物の身体の中に入ると、大部分がノドのところにある甲状腺に集中されます。
この集中するということは、濃縮されることだと考えて下さい。
ヨウ素は食べ物をとうしても、肺からでもとり込まれます。
そして徐々にチロキシンというホルモンとなって身体中を回ります。
しかもホルモンとして使われ分解された後も、リサイクルされて大切に使われるため、 外に出にくいのです。
この甲状線ホルモンは、代謝、成長と分化、神経、筋機能、生殖・生殖腺の発達に不可欠なものです。
甲状腺にヨウ素131が集まりますと、放射線で甲状腺が傷つけられることになり、その結果、 肉体的、精神的な発育不良を起こすことになります。
とくに胎児や、成長過程にある幼児に影響は大きいといえます。

 

(Q4) 放射性ヨウ素は胎児や幼児に対する影響が大きいということですが、それはどうしてでしょうか。
(A4)

これまでに妊娠中の女性や、新生児の血清中ヨウ素の濃度が著しく高いことが知られています。
ヨウ素は胎盤をとうして胎児に取りこまれ、一定期間をすぎた胎児は自分の甲状腺でホルモンを作って成長するのです。
乳幼児の甲状腺は大人に比べて極めて小さく(成人で20g,5才児で5g,6ケ 月児で2g)、 母乳や牛乳などで大人と変わらないほどのヨウ素131をとり入れると、 大人の10倍から30倍もの被曝線量を受けることになるのです。

 

(Q5)  牛乳中のヨウ素131はどうして多いのでしょうか。牛乳を飲むのは控えたほうがよいでしょうか。
(A5)

牛の子供も成長するためには、大量のヨウ素を必要とします。このため子牛に飲ませる牛乳中にもヨウ素が沢山含まれています。
そして牛がヨウ素131を含んだ草を大量に食べた場合、当然牛乳にも沢山のヨウ素が含まれることになります。
私たちの飲む牛乳の産地がどこか、しっかり調べることです。
用心するということでいえば、2カ月程飲むのを控える方法もあります。

 

(Q6) 2カ月控えるというのは、なぜですか。
(A6)

放射能は大体、半減期の10倍の期間がたつと、元の1000分の1ほどに弱まってしまうという性質があります。
ヨウ素131は半減期が8日間なので2カ月もすれば、ずっと弱くなります。

 

(Q7) 野菜はどうでしょうか。
(A7)

野菜のなかでも葉っぱ類には、ヨウ素131がけっこう沢山検出されています。
葉菜類も産地を確認するとともに、全然食べないわけにはいかないので、食べる時はよく洗ってください。

 

(Q8) 野菜はよく煮たらどうでしょか
(A8)

私たちがまず知っておかなければならないのは、放射能は煮ても焼いても無くならないということです。
時が経つのを待つ以外に方法はないのです。
ここが放射能の厄介な点です。
ただゆでれば、ゆで汁で4分の3程度は流れます。

 

(Q9) 土の上に出ているものが心配なのですね…大根や人参はどうでしょうか。
(A9)

心配はいらないと思います。

 

(Q10) 水道水は飲めますか
(A10)

各地で水道からもヨウ素131が検出されています。
暫定基準として定められた1リットル当たり300ベクレルを福島県川俣町水道と飯舘村簡易水道で超えました。。
「直ちに健康に影響がない」を繰り返している政府もさすがに乳児用の規制値を300ベクレルから100ベクレルに引き下げましたが、この基準も十分なものではありません。
WHO(国際保健機構)の飲用水質ガイドラインに示されている基準(Guidance level)は、 ヨウ素131の場合10ベクレル/リットルです。
日本の暫定基準は、乳児で10倍、成人で30倍緩いことになります。少なくとも10ベクレルを超える地域では飲用は控えるべきです。

 

(Q11) 母乳は大丈夫でしょうか。
(A11)

チェルノブイリ事故の放射能が日本にも飛来した時、母乳からもヨウ素131が検出されました。
母乳にヨウ素が含まれるのは、牛乳の場合と同じです。
お母さんが放射性ヨウ素の食物を摂取すれば、それだけ母乳にもヨウ素131の量が増えることになります。
妊産婦や乳幼児と一緒の方は、公表されているデータを見て20キロ圏外でも高いレベルの地域から避難することが必要です。
なお、母乳は栄養があり、子供への心理的なプラス面もあります。母乳を与え続けられる努力をされたほうがよいと思います。

 

(Q12) 時々検出される程度の地域では、どんな方法があるでしょうか。
(A12)

放射能を含んでいないヨウ素の摂取を積極的にお勧めします。
私たちは海藻類を沢山食べることによって、ヨウ素を身体に取り入れることができます。
甲状腺がいつも放射能を含んでいないヨウ素で一杯になっていれば、放射性ヨウ素の侵入を防ぐことができるのです。 今回の事故までに海からとってある海藻を野菜がわりに食べるのがよいでしょう。

 

(Q13) ヨウ素剤はどうですか。
(A13)

ヨウ素剤(ヨウドカリ錠)は、避難地域で医師による処方がされる場合を除き、お勧めできません。
ヨウ素剤は劇薬でもあり、使用法が難しいのです。

 

(Q14) ヨウ素以外の放射能は問題ないのですか。
(A14) 原発事故の場合、ヨウ素131以外に、セシウムとストロンチウムも漏れ出ます。
ヨウ素は甲状腺に、セシウムは筋肉に、ストロンチウムは骨に蓄積されやすいのです。
そしてそれぞれ蓄積される過程で濃縮されます(これを生体濃縮といいます)。
セシウムとストロンチウムはいずれも半減期が長いので(セシウム、ストロンチウムとも約30年)、ジワジワと影響が出てきます
最終更新 2011年 8月 20日(土曜日) 07:55
 

中部電力管内は、電力が不足する事はありません

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2011年3月21日記
「福島原発事故を受けて、浜岡原発の運転停止を願う市民有志」
代表 馬場利子(プラムフィールド代表)
 
3月18日(金)に静岡県知事宛に、要望書を提出するため、 賛同者登録を3月17日(木)締め切りとさせていただきましたが、現在も賛同メールが続いている状況です。
今もなお、浜岡原発の運転停止を望む声を寄せていただき、ありがとうございます。
 
また、福島原発事故の被害を止める為に、自ら被曝を省みず作業を続けてくださっている方々の心中を思うと、言葉がありません。心からお礼とお見舞いを申し上げます。
 
電子メールで賛同いただいたお名前を登録する方法(スキル)も持たないまま、日常の活動の中で繋がりのある人々への呼びかけを行ったために、想像を絶する賛同者数に、立ち尽くしていたプラムフィールドでしたが、私たちのHPを観て、名簿作成の協力の申し出や、賛同署名の処理ツールを作成してくださった人など、多くの方に協力を頂いて、現在も名簿の作成を続けています。
協力していただいている皆様に、心よりお礼を申します。
 
賛同のメールに、多くのご声援や関連書籍の注文なども頂いていますが、お1人、お1人にお応えする事ができませんので、この場をお借りして、いくつかの共通したご質問、要望についてお返事をさせていただきます。
 
 
(1)HPの『健やかな未来への掲示板』の書き込みについて

この掲示板開設以来ありえなかったほど多くの方々から、浜岡原子力発電所の運転中止や原発停止について、議論や意見交換をしてくださっている事に、HP開設者である私たち(プラムフィールド)は、 信頼と感謝を持って拝読しています。

 

この掲示板に、開設者である私たちがお返事をすることは、今後も無いかもしれませんが、浜岡原発を停止する為に私たちが知り得る情報については、HP上でお伝えしていきたいと思っています。

 

今回、多くの皆さんに浜岡原発や原子力発電について関心を持っていただき、議論が進んでいく事が未来を創る大きなエネルギーとなる事を確信しています。

異なる意見に耳を傾け、知識や情報を共有し、より良い環境や暮らし、社会制度を創り出す方法を互いに発見していける事を強く願います。
 
(2)浜岡原発を止めても中部電力管内は、電力が不足する事はありません。

要望書に賛同を呼びかけるメールを転送してくださった方々の中から、
「原発反対と言うのは勝手だけれど、原発を止めたら電気が来なかったら暮らせないと言われた」
というメールを何通か頂きました。

 

● 浜岡原発を止めて電力は大丈夫かという意見に対して・・
この件については、疑問を持った人がご自身で確かめられる事をお願いしたいのですが、今日、頂いたメールにも、『電気は不足しない』という論旨をO氏が書いてくださっていますので、以下を参照下さい。
http://greenerw.exblog.jp/15689015/

 

● 電気は原発だけで作られてはいません。
電気は原発で全量作られていると思っている方がいらっしゃるようですが、中部電力の昨年の実績では、全発電量の約10~11%が原子力発電所で作られた電気で、残りの90%前後は水力、火力、自然エネルギーなどにより発電されています。
浜岡原子力発電所運転状況・リアルタイムデータ http://www.chuden.co.jp/energy/hamaoka/hama_data/index.htmlで見ることができます。

実際に2002年9月20日から、原発の点検の不備問題から、浜岡原子力発電所5機全ての運転が止まりましたが、以後10ヶ月近く、 電力の不足を報じられた事はありませんでしたし、節電の呼びかけも行われませんでした。

現在、浜岡原発では、1号炉、2号炉は老朽化により永久に運転中止。3号炉は定期点検中で止まっています。

 

● 実際の発電量と発電予備力については以下より計算できます。
電気事業連合会のHP「でんきの情報広場」 http://www.fepc.or.jp/library/index.htmlをご覧頂くと、中部電力だけでなく、日本国内全ての電力会社の1年間の「発電量」「電気利用量」「発電方法別による発電量」などがわかります。

中部電力は、原子力発電に依存する率がとても少なく、自然エネルギーに転換しても原子力発電所で作る電気量を賄う事は限りなく可能です。

現在使っている電気量を今後も使い続ける事を前提に、自然エネルギーへの転換を試算するのも1つの方法ですが、私は電気を使う量をもっと見直し、この20年間で日本の電気機器が可能にした省エネ技術と、自然エネルギーによる発電技術を使いながら、建築、工場、家庭でエネルギー依存度の低いシステムへと変わるチャンスだと考えています。

現状から抜け出られないという自己暗示を解いて、
子どもたちに負債を残さない暮らしを作りたい と心から望みます。
 
(3)原子力発電(発電所事故等)について知りたい方へ

「原発事故が起こったからといって、突然、原発反対というのはおかしい」
というご意見も複数いただきました。

「突然」だと思われたのはその方にとって「突然」であったのでしょう。
米国 スリーマイル島原発事故、チェルノブイリ原発事故以前から、原子力発電所の危険性を伝え、原子力の専門研究者たちが公開のゼミを行い、情報を伝えてくださっている資料が以下に掲載されています。

原子力安全研究グループ『原子力安全問題ゼミ全レジュメ集』
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/seminar/100/NSRG_ZEMI.htm

 

以上、お寄せいただいたご意見の1部について、お返事させていただきました。

引き続き、お返事をお送りする予定ですが、節電の折、ゆっくりと進む事をお許し下さい。

(文責 馬場利子)
最終更新 2011年 8月 20日(土曜日) 07:48
 


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