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うれしいトレペ

“うれしいトレペ” 新価格

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 2008年6月20日新価格

  

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最終更新 2011年 10月 10日(月曜日) 15:42
 

“うれしいトレペ”の価格見直しのお願い

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2008年6月10日 
“うれしいトレペフレンズ”事務局  馬場利子

 日頃より、環境商品として、“うれしいトレペ”にご理解をいただき、使う事で商品つくりを支えてくださっている皆様に心より感謝しています。

1998年2月、製紙会社と市民の願いを形にして誕生したこのトレペは、全国の皆様に共感していただき、『産直』環境商品として、10年間、作り続けることが出来ました。これは使ってくださる皆様のお力に他なりません。 
この10年の間に、市民の環境意識も高まり、資源回収や再生紙商品を選ぶ人々も多くなっていますが、皆様もご承知のように、日本のリサイクルの優等生である「家庭紙」を取り巻く状況は、2002年以来、激動の時代を迎えています。
古紙の価格暴落から、一変して古紙不足、古紙価格の急騰、そして、ここ2~3年は中国の経済成長に伴う古紙の需要の拡大によって古紙の輸出も急増しています。そして、空前の石油価格の高騰。 

こうしたコスト背景を持つトイレットペーパーですが、常に「安売り商品」として価格競争から外れることが多く、作っても利益が望めない商品として、製紙会社は経営が立ち行かなくなり、静岡県内の製紙会社の倒産、統合、廃業が相次ぎました。
製紙の町、静岡県(富士、富士宮市)には、1990年当時約40社あった家庭紙の会社が、現在では約13社、3分の1以下の企業数となり、大手製紙会社による寡占産業となりつつあります。

 
このような情況の中、“うれしいトレペ”の企画・製造に当たっていた静岡製紙工業(株)は、 “うれしいトレペ”を作り続けるために、企業の経営形態を見直し、小規模製紙との協働により、雑古紙の回収、トレペの製紙、個包装箱入りによる消費者への配送を続けています。
“うれしいトレペ”は、包装にも省資源を配慮したいとの願いから、機械化で簡便な12個入りビニール包装(包装のビニールがゴミになって捨てなくてはいけない)の形ではなく、1個ずつトレペを箱詰めして貰っていますが、この作業は全て人の手によっています。こうした手詰めの作業が出来る工場も大手製紙工場にはありません。
環境に配慮した物作りという視点で、“うれしいトレペ”を作り続けていくために、継続的に話し合いをしていますが、2003年の価格見直し(値上げ)から、5年ぶりに、価格の変更をお願いすることにいたしました。(“うれしいトレペ”の経緯は このページトップからお読みいただけます)

価格変更の理由は

1、世界的な原油値上げ(1バーレル30ドルだった価格が、100ドル以上と原油価格は3~4倍になって  いる)ため、製造コストが価格を上回ってしまうこと。

2、梱包用ダンボールが値上げされた事。

3、紙菅(トレペの芯、ダンボール原紙で出来ています)も40%以上あがっている事

         以上のことから、今回、5年ぶりの価格変更をお願いさせていただきたいと思います。 

新価格については、7月15日より、別紙価格表の通り変更いたします。 
なお、この価格は今後、原料の雑古紙の回収システムの確立、原油の値下げ、あるいは運賃の大幅値上げ等の状況に合わせて、常に検討・協議していく事をお約束します。   

<お問い合わせ> 製造発注担当 ・・・ T/0544-25-6654 富士サプライ株式会社 
うれしいトレペフレンズ・市民窓口 T/F 054-209-2021プラムフィールド (月~金 10:00~16:00)

最終更新 2011年 8月 06日(土曜日) 09:41
 

“うれしいトレペ”を使ってくださっている皆様へ

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急なお願いですが、

“うれしいトレペ”の価格見直しのお願いです。

 

2003年3月  日 静岡“うれしいトレペ”事務局より

 日頃より、環境商品としての“うれしいトレペ”にご理解をいただき、使う事で商品つくりを支えてくださっている皆様に心より感謝いたします。
 1998年2月、製紙会社と市民の願いを形にして誕生したこのトレペは、全国の人々に共感していただき、『産直』環境商品として大きな広がりを現実いたしました。
 しかし、皆様もご承知のように、日本のリサイクルの優等生だった「家庭紙」を取り巻く状況はこの4~5年、市民の環境意識が高まりをよそに、激動の時代を迎えています。
古紙の価格暴落から、昨年末からは一変して古紙不足、価格の急騰を迎えています。
トイレットペーパーは、安売り商品として価格競争から外れることが多く、そのため一昨年あたりから静岡県内の製紙会社の倒産が相次いでいます。
 このような情況の中、“うれしいトレペ”の企画・製造に当たっていた静岡製紙工業(株)が、企業の事情により昨年、廃業することになり、製造、発送の方法が昨年より変わっています。


 現在は企画当事者の元静岡製紙工業社長の石川氏が、中心となり、
製紙部門を製紙工業新和洋(株)  加工部門を丸富紙工(有) が担当し製造。
  (この間の詳しい市民リポートは、ご連絡いただければ、送付いたします。)
引継ぎ当初は、機械の違いや内容確認の都合で、トレペの品質が一定しない事もありましたが、環境に視点を置いたこのトレペを、作り続けることを可能にしたいと、協議・努力をしています。

経済全般の事情を詳細に述べる事は割愛いたしますが、今回、かねてより再検討する提案を受けていた“うれしいトレペ”の価格を見直すことになりました。

価格見直しが必要な理由

  1. 企画を実施した初期から、宅配料金を含む価格の設定であったため、妥当な企業利益を見込むことが出来なかったこと。
    (たぶん、静岡製紙では市民協動企画のこの“トレペ”が売れていくとは思っていなかったのでしょう・・)
    他の古紙100%トイレットペーパーと、メートル当たりの単価を比較いただくと、宅配便料込みでも最も安いトレペになります。価格設定が厳密に出来ていない事は、スタートの時からの不安条件でした。
  2. 2000年に業務用宅配便料金が大幅に値上がりしたこと。
  3. 古紙の価格高騰、世界情勢の不安定から原油値上げ(対イラク戦争が始まれば原油価格が3~4倍になるという予測もあります)が始まれば、製造コストが価格を上回ってしまうこと。
    以上のことから、今回スタートから6年目を迎え、以下のように価格を変更させていただきたいと思います。
【新価格】
   
100メートル巻き 3円値上げ 包装なし 1個39円(旧価格 36円)
包装あり 1個40円(旧価格 37円)
65メートル巻き 2円値上げ 包装なし 1個28円(旧価格 26円)
包装あり 1個29円(旧価格 27円)


ただし、この価格は今後、原料の雑古紙の回収システムの確立、原油の値下げ、古紙価格の値下がり等の状況に合わせて、価格の値下げも含め、常に検討・協議していく事をお約束します。

<お問い合わせ> 製造発注担当 T/0544-25-6654 パーソンウイル 
市民窓口 T/F 054-209-2021 プラムフィールド
最終更新 2011年 8月 06日(土曜日) 09:40
 

報告と課題 (その4)

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うれしいトレペ”の製紙工場が変わりました。
2003年 月 日 馬場利子記

“うれしいトレペの原料確認”
2002年12月18日、新和洋製紙の社長と石川社長、プラムフィールドにて三者会談。

★次亜塩素酸ソーダの使用の件
 「古紙の質が安定しなかった4~5年前までは、漂白のためというより、地下水(30~35℃)を使用していたため、古紙を24~36時間釜で溶かす間に、雑菌が繁殖しやすいので使っていた。
しかし、古紙によって、薬品を使うとかえって黄色く変色してしまう事があるので、3年間薬品を一切使わないで様子を見た。結局、使わなくても雑菌が出る事は無かったし、古紙の品質が安定して漂白しなくても大丈夫だとわかってからは、使っていない。」との事。
どうやら、会社の中でも現在の様子に詳しくない社長の弟さんは、昔から使っていたのでそのままの作り方でやっていると思ったようです。
 「もし心配なら、仕入伝票を確認してもらえば、薬品の仕入があるかないかはっきりしますよ」ということで、
漂白、殺菌の為の薬品は一切使っていない事は確認しました。
新和洋製紙の社長さんは、50代後半のざっくばらんな人で、古紙事情など熱心に話してくださいました。


★牛乳パックの使用について
 「生協ブランド」のトイレットペーパーも作っているので、月10~15トンの牛乳パックが入荷してくるそうです。
新和洋さんでは、1日25トンの古紙を使うので牛乳パックの占める割合は、もともと極わずか。
牛乳パックが入らない時のほうが多い…そうです。従って、“うれしいトレぺ”を作るときは牛乳パックを使わないで作っているが、これからもよく確認するとの事でした。

しかし、余談ですが…毎回、トレペと牛乳パックの話しが出るたびに、それでは牛乳パックはどうしたら良いのか?という話になります。つまり、牛乳パックの原料はカナダの針葉樹しか使用されていません。繊維が長く、均一だからですが、それをトレペにして流してしまうのはもったいないといっても、現在牛乳パックが使われているのは、はがきや特別のノート類に限られています。パックを使用して、上質紙を漉いてくれる工場が無いからです。
上質紙を漉く為には、大きなシステムが必要で、1度に何百トンという古紙が必要になるため、そんなにたくさんの牛乳パックを調達できる流れが無いそうです。(新和洋社長の話)
「だから、うちも燃やしてしまうよりはいいと思って引き受けている…。確かに勿体無いですよね。」とうことで、
“うれしいトレペ”に牛乳パックが使われる事もありません。

★懸念される古紙事情
 この報告(その1)の中でも、書きましたが、この会談の2002年12月は古紙の値段がだんだん上がり始め、大手の大昭和製紙が古紙を使用した「家庭紙」の製造に乗り出しました。
 消費者の環境意識が高まり、バージンパルプ100%なんていうトレペは売れなくなっているためだと思われますが、そのために、小規模な製紙会社には古紙そのものが回って来なくなるかもしれないと、社長たちは心配していました。
しかしそういいながらも、不況の割りにはトレペの売り行きは順調で、作っても作っても品物が無い状態が続いているとの事で「経済の常識ではもう、何も考えられない状態」だそうです。
大手が古紙家庭紙を作り始めると、必ず価格が上がる…。それは大手は大量に流通させるため、問屋にも強気で価格設定が出来る為だそうです。

★2003年2月市場はいっせいにトレペ値上げ。
 古紙の価格高騰が理由なのか、株価の値下がりなどで、大手製紙会社のトイレットペーパー(バージンパルプ100%も再生古紙トレペも)が、足並みを揃えて値上げをしました。
宅配便の値上げの時期から“うれしいトレペ”の価格の見直しを提案されていましたが、これからこのトレペを育てていく為にも、価格を見直す時期になりました。(次回に)

最終更新 2011年 8月 06日(土曜日) 09:41
 

報告と課題 (その3)

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うれしいトレペ”の製紙工場が変わりました。 
2003年3月16日 馬場利子記

★トレペは加工工場・丸富紙工で巻かれます。
 新和洋製紙で原紙と呼ばれる大きなロールに漉きあがると、加工工場に運ばれます。静岡製紙では原紙を漉くことから、トレペに巻き発送用に包装することまで全て1社でやっていましたが、この様に分業がなされているのは、富士市や富士宮市では珍しい事ではないとの事です。
 原紙はトレペのタイプに合わせてシングル、ダブル、ミシン目入りなど巻き違うトレペに巻き、裁断して箱に詰められますが、丸富紙工は広さ40畳あまりの工場に簡単な裁断機などが1目で見渡せる規模。
 ここへは新和洋製紙からだけではなく、親会社の丸富製紙(株)からも原紙が入っていました。
「漂白していない原紙と他の原紙を間違えて巻くことはありませんか?」
新和洋さんで紙が漉かれるようになってから、「トレペが白くなったのは何故ですか?」という質問や「白すぎないか?」という不安の声もありましたので、他社の原紙と間違えて製品化してしまうことはないか心配で尋ねました。
「原紙を間違えたら、仕事になりませんからそれはないです。」と言う返事。確かにそうですよね。

★働く人の健康と幸せは・・
ここでは私たちが特に気になった事が1つありました。
それは、うれしいトレペのように無包装、100個というと、工場の人は出来上がったトレペを1つ1つ手で箱詰めしなければなりません。トレペは皆さんもご承知のように、意外に紙ほこりが舞います。
 工場はほわーっと空気にモヤがかかったようになっています。働いている人は、マスクもつけないで作業をしているのですが、短時間いただけでも私たちは働いている人の健康を案じてしまいました。
 この時、私は静岡製紙の石川社長が“うれしいトレペ”が誕生した時から言われていた話を思い出しました。
「1つ1つトレペを詰めるのが面倒だと社員が文句を言って困る。4個や6個のビニールつめなら、全部機械でやれるけれど、バラはみんな手でつめなくてはいけないから、経費のかかることにもなる・・。」
私は石川さんの話を“ビニール包装なら、全部機械化されていて簡単に作れる・・程度に聞いていましたので、その時は「ただ捨ててしまう包装のためにビニールを使ってトレペをまとめてもらわなくても良い。そんな事をしたら、うれしいトレペの意味が薄れてしまうから100個まとめて箱に入れてくださればいい。」と答えたのを覚えています。
 しかし、こうして実際に1つ1つ手作業で、腰をかがめて箱に詰めてくださる様子を見、もう一方でベルトコンベアに乗ってビニール袋に自動的包装され、それをただポンポンと箱に入れていけばいい機械化された作業を見てしまうと、“人の作業の負担と、環境に良いということ”の選択の難しさを感じないではいられませんでした。

★物つくりはコストと働く人の幸せが大切・・
 まだ40代くらいの社長さんは、「そんなに説明するほどの事はないこれだけの工場です。」と言ったきり、はにかむように工場を見渡しました。
「何個かづつビニール袋に包装したほうがコストは安いのでしょうね。」と尋ねますと
「作業が断然早いから効率が良い分、ビニール袋のコストより安くなりますね。」との事でした。
「1つ1つの手作業の箱づめは、私たちの我侭なのではないかしら・。」工場にうっすらとモヤのように舞う空気の気配を思い出しながら、同行した人と帰りの電車の中で話をしました。

人が働きやすいという事も、また環境問題にとっては大切な視点。
トレペの包装形体について検討課題が1つ見えてきました。
石川さんは、ビニールではなく紙袋に何個か詰めたらどうか?と何回か検討したようですが、紙袋は決定的にコストが高すぎて実現はなりませんでした。

1つの消費財を創ることは、経済や福祉、環境、生き方全てを眺められる有機的な作業です。
“うれしいトレペ”は私たちに、これからみんなで創る経験をプレゼントしてくれているようです。
(物語はまだ続きます)

最終更新 2011年 8月 06日(土曜日) 09:41
 


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