フサさんのお醤油と私の出会いは28年前。
私はまだ独身で故郷の岐阜に在住し、
大学の先輩が参加していた『よい食品を作る会』の出版物を作る手伝いをしていた時に、
当時、全国各地で安全な食べ物を自ら作っている人々の情報
を毎月特集していたお一人として渡辺フサさんがいらしたのです。
ところが当時の私はフサさんを担当した訳でもなかった事と
“食べ物”には全く関心がなかった学生の頃であったので、
ただ情報を発信する側にいただけでした。
フサさんのお醤油のことは何度も“みるめ通信”でお知らせしていますが・・・。
30年以上前、日本のお醤油が脱脂加工大豆から砂糖とカラメル、保存料を
加えて作られたものばかりになろうとしていることを案じたフサさんが、
ご主人の退職金で大豆を買い付けて、昔ながらの天然仕込み、無添加、丸大豆醤油を作るよう
蔵元に依頼して、できたものが“渡辺フサさんの醤油”です。
今、プラムフィールドではヤマキ御用蔵醤油(1L)もご紹介していますが、
フサさんの醤油を仕込んでいるのもヤマキ醤油なのです。
フサさんの醤油はずっと直接フサさんにお電話をして、ご本人の声を聞きながら、分けてもらっていましたが・・・
ご本人が高齢になり、ご病気のため入院されたのをきっかけに娘さんが窓口に変わられました。
お電話の様子では(みるめの発注のときに世話人が感じられたようですが・・・)
娘さんはあまりお醤油のことに詳しくない・・・らしいので、
直接ヤマキにお尋ねの電話をしてみました。
ヤマキ醤油には何年か前、竹内さんと二人で訪問し、
直営の畑や仕込みの蔵を見学する案内を渡辺さんにしていただいています。
消費者御用達(特別注文)を会社の姿勢にしている会社です。
★ 電話インタビューをまとめてみますと
“渡辺フサさんの醤油”
原料はフサさんの持込ではなく「御用蔵会」の生産者が作った無農薬、有機肥料、もちろん国産大豆100%
仕込み方、材料は御用蔵醤油と同じ
以前は非加熱で1.8Lに詰めて出していたが、消費者から「カビが出る」という苦情が出るため
今は、加熱処理をしているそうです。
“御用蔵1L再仕込み醤油(生醤油)”
原料はフサさんの醤油と同じ
ただし、1Lのものは非加熱で瓶詰め、酵母が生きている
● 再仕込みとは
大豆を煮て、麹(こうじ)と混ぜて発酵させた後、100%塩水で仕込むのではなく、
3割の塩分を「生醤油」を混ぜることによって、風味や味を増す作り方。
『再仕込みは「生醤油」を使うため、コストが大幅に上がり、手間もかかるが、
消費者からの注文(昔ながらの作り方にして欲しい・・・)で仕込むために、
価格競争よりも品質という人々に支えられている』との事でした。
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“フサさんの醤油”と“御用蔵1.8L醤油”の
味の違いは・・・何故?!”
原料・仕込み・作り方は全く同じだそうですが、
「フサさんの醤油は仕込んだ樽から注文があった時に瓶詰めをするために、
仕上がってからビンに詰めるまで樽の中で熟成するのかも知れませんね・・・」との事でした。
●御用蔵会
(原料生産者グループ)の中心的な生産者には有機農法の草分け、
マクロビオテックや食養の指導者の方々が絶賛されている須賀さんもご健在で活躍されているそうです。
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★ 電話インタビューを終えて・・・
ヤマキの若社長さんは水にこだわって、標高2000mの湧き水を仕込みに使うため、
毎日タンクローリーで取りに行っている・・というお話を
見学に訪れた私たちに話してくださったときに感じた充足感を
今回の電話での対応でも感じることが出来ました。
自分たちの仕事や物作りに自身を持っている生産者であることをありがたく思えました。
嬉しい限りです。喜びを食べる・・・そんな感じです。
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