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2006’2/15作成

“卵の学習会”

【卵の報告】〜幾見養鶏さんとの話し合い〜
2005’12/20 こだわりの味協同組合事務所にて

≪参加者≫
幾見養鶏社長、こだわりの富良さん、馬場、竹内、伊藤

≪経緯≫
野崎さんが辞められてから、野菜班に卵のない状態が続いています。

11/3
各自で調達していますが、“できたら、みるめで”という声もあり、話し合いを持ちました。
参加者は少なかった(5人)のですがそこで確認されたことは、
@飼料の魚粉は必要か?→
酸化防止剤や防腐剤のリスク及び重金属汚染のリスク。
そして何より鶏は本来魚を食べない。
A運搬上のエネルギーの負荷を小さく。→
何よりみるめの卵は毎週10〜12パックですので(地産地消はもとより、そのための運搬は辛いですね)
このような点から、こだわりの味さんの卵は魚粉が使っていなかったのでは?
(こだわりの味さんの卵は、幾見養鶏さんの卵で、生活クラブの生産者でもあり、そちらの資料から使用していないかもしれない)
そして、こだわりの味さんであれば、搬送ルートが確立しているので、みるめのためにわざわざ運んでもらわなくても済む・・・
ということで、魚粉の件を問い合わせることになりました。
10月の展示会の時、卵の資料もいただいていました。

12/3
冨良さんと馬場さんが電話で話し合い。
冨良さんより幾見養鶏さんも
「なるべく減らしたい意向はあるよう。今は蛋白源として使わざる得ないが・・・」
馬場さんより「話し合いや合意を作る活動でありたいので
『試験的にある数の鶏に魚粉を与えず飼育してもらい、それを全量買取る。
幾見養鶏さんにはその違いを観察してもらいたい』と話したい」

12/20
今回の話し合いとなりました。
3時間があっという間に感じるほど、充実した内容でした。
幾見さんはとてもユニークで、お話も上手な方です。

≪結論≫
指定配合飼料の最低指定ロットは10tで、試験的にやると1日400kgの卵の生産となる。
年間通しての生産計画(年末年始やお盆)となり、他団体と協力しても消費できる量ではない。
価格も高くなる。
ということで、保留となりました。
魚粉を与えないデメリットもあるし・・・。

今回の話し合いを次回につなげましょう!
ということで、時間切れとなりました。

みるめにも来ていただいて、“卵の学習会を是非やりましょう”
という気持ちでいっぱいの帰りの車中でした。

入口は“卵”。でも全てに通ずる食のの世界。
ワクワクしてきます ハート





【環境汚染と魚粉を飼料とすること】
2006’2月6日 馬場利子記

 鶏卵をお世話してくださっていた新間の野崎さんが廃業されたため今、“みるめ”で扱う卵が無い状態が続いています。
どこか良い卵を分けてくださるところはないかと探しながら、鶏の飼育方法や、飼料について夫々が調べたり、“みるめ”で話し合いを重ねています。
私は、その話し合いの中で、飼料について、『魚粉』を与えていない鶏の卵を欲しいと望んでいます。
その理由は、19年前、浜松で主催した学習会で獣医さんにお話を聞いたとき、問題点として、
(1)密集飼育、
(2)濃厚飼料、
(3)配合飼料に混ぜられて使われる抗生剤や防かび剤
について聞きました。

その後も、鶏や豚、牛の飼い方は改善されるよりもむしろ、濃厚飼料に遺伝し組み替えコーンなど問題点は増えている状況です。
魚粉を飼料に混ぜる事を望まない理由は、鶏の脂肪量を増やすために混ぜられる『魚粉』は決して、魚の身だけを原料としていることはなく、魚の内臓や廃棄される魚が原料になっている点です。
20年前にすでに、そうした魚粉は魚の内臓の重金属汚染をそのまま反映し、鶏に食物連鎖されていくと指摘されていました。
PCB,カドミウム、水銀、・・これらは魚の内臓の方が、身より汚染度が高いのは皆さんご存知の通りです。
ですから、ビタミンB1やB12がいかに多く含まれていても、鶏や豚のレバーは幼児や妊婦さんは食べないほうが良いといわれているのはそのためです。
今、厚生労働省は『妊婦さんは、スズキや近海魚を週2回以上食べないよう』にという指導をしています。
その論拠に、『水銀、カドミウムの汚染』の数値を挙げていますが、切り身にしてしかりの魚の内臓は、『より強い汚染』を示していることは、当然のことです。

ちなみに、みるめで扱っている『とり一番』の鶏は魚粉や抗生剤を一切使わない飼料で育てられています。
その理由を『とり一番』では、
● 魚粉を与えることで肉が臭くなること
● 魚粉を与えると脂肪がつきすぎて、高カロリーの鶏肉になってしまうこと
● 魚粉は酸化しやすいので、酸化防止剤や防カビ剤などの薬品を使わなくてはいけないこと
・・・を挙げています。

私たちは加工食品も日常、食べていますから、食品添加物を全べて避ける事は出来ません。
同じように農薬や食肉の飼料由来の化学物質も皆無にする事は不可能です。

その中で、少しでもより自然に作られた食べ物が得られるなら、それを求めたいと願っている訳ですが、育ててくださる生産者の哲学や方法を伺いながら、現状ではどこまで可能であるのか、また何か一緒に考えられる事が無いか、話し合っていきたいと願っています。





〜幾見養鶏さんを囲んでQ&A〜

  日時: 2006年2月24日(金)10:30〜12:00

  場所: プラムフィールド

  会費: 会員無料(ぐるーぷ・みるめ プラムフィールド)
      会員以外 200円
  申込: ぐるーぷ・みるめ プラムフィールド
  問合せ:054-209-2021

  主催: 共同購入ぐるーぷ・みるめ
  共催: プラムフィールド


 昨年9月、今までの卵の生産者の方が廃業され、みるめに卵が届かなくなりました。

 魚粉も含めた飼料のこと、配送時の環境負荷のことなどを考慮しながら、新しい生産者の方との出会いを求め、話し合いを重ね、昨年末、「こだわりの味協同組合」の認定商品でもある「幾見養鶏さん」と話し合いを持ち、今回の学習会へとつながりました。

幾見養鶏の3代目 正信専務のお話は、とてもわかりやすく“卵・鶏大好き!”が伝わってきて、時間がたつのを忘れてしまうほどです。

今回は質問形式で卵のことを色々な角度から学習する予定。
遠慮は無用!ドシドシお聞きしましょう!
聞きたい事がある方は事前に質問をいただけると嬉しいです。もちろん当日の直接の質問もOK。
みるめの会員外の方でも卵に関心のある方、気軽にご参加ください。





   
幾見養鶏さん紹介
場所 富士市桑崎という富士山麓
従事者数 男性4名・女性7名
鶏舎 日光が入り、風通しの良い、オープン型
鶏種 ゴトウサクラ 日本の在来種
成鶏 成鶏48000羽・育成16000羽
成鶏年齢 120〜560日
自家育雛 雛(生後24時間以内)から自分の手で育てる方式。
ワクチン投与、餌の内容などがはっきりしています。
飼料 遺伝子組換え無し、収穫後の農薬散布無し。
とうもろこし、大豆粕、
コーングルテンミール
米ぬか、魚粉、アルファルファミール
動物性油脂、炭酸カルシウム、食塩
りん酸カルシウム、
かきがら、にんにく、とうがらし
キチンキトサン、酵素、オリゴ糖
を与えています
飲料水 地下340mより汲み出した富士山の雪解け水を弱アルカリイオン水にして与えています
卵の特徴 卵殻は美しく、さくら色で卵殻が強い
着色料を使用しないため自然の卵黄色
濃厚卵白
卵特有の生臭さが無い
その他 国産鶏ゴトウさくらの導入
強制換羽をしない
敷き紙検査、ヌルミ法
鶏卵検査、鶏糞検査
ネズミ駆除、オリゴ糖給与
鶏舎の洗浄、消毒
561日以降の鶏は、食肉用として活用されています。
* 幾見養鶏さんの卵はこだわりの味協同組合の認定商品でもあるので、みるめではこだわりさんの配送ルートでお願いし、配送時のエネルギー負荷を少しでも減らしていけたらと考えています。




〜幾見養鶏さんを囲んで卵の学習会 報告〜
≪学習会を終えて≫
幾見さんを囲んで、世話人・会員さん含め7名での「わいわいミーティング」でした。
幾見さん持参の実際の飼料各種サンプル及び、鶏舎全景〜鶏舎内飼育の写真を拝見しながら具体的なお話しを聞く事が出来ました。
「鶏の安全から、それを食する人への安全へのこだわり」は、自家育雛⇒直販という、他人に委ねない幾見さんの、生産者としての確固たるプライドと、“命を大切にしたい”という生産者としての思いやりなのではないでしょうか?
文責 米山ゆう子
≪感想≫
鶏がいれば卵は生まれる。『卵=栄養満点』それは安易な思い込みと気づきました。
私たちがスーパーで手軽に手に入れられる卵は、できる限り機械化、システム化された商品だった。
そんな中にあって、こころある生産者が自らの判断で、私たちの望む卵の生産に取り組んでくださっていると知り、とても心強く思いました。
私たちは食材を何から何まで他者に依存して生き、命をつないでいるのだと改めて思います。
だからこそ、消費者として知る努力を持続し、生産者と繋がる事が大切なのですね。
 石上敦子