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2004'8
2004年7月30日に報道されたイギリスの食品規格庁の勧告
“「ヒジキに無機ヒ素の含有量が多いので
食べないように勧告!」について”
(文責  馬場利子)

 日本の新聞に、イギリスの食品規格庁が7月28日付けで「ヒジキの無機ヒ素の含有量が人体に有害な値になっているので、 食用を見合わせるように」という発表をしたという記事があったようです。

この件で何件かの問い合わせをいただきましたので、私的な見解も含めて、お伝えします。
資料として 厚生労働省ホームページ イギリスFSAの「ひじき」についての資料(英文)もご覧になってください。

 イギリス人は絶対に食べない「ヒジキ」をなぜ、測定する必要があったのか?
「ヒジキ」を検体に選んだいきさつや、・何グラムを何CCの水でもどし、何グラムの試料として測定したのか?
元のデータは、食品規格庁のホームページには開示してありませんでしたので、実はこの測定の意図が私にはよく分かりません。

 「ヒジキ」について今回の件では 厚生労働省のA・2にある答えに私も同感します。
我が家でも、ひじきを毎日食べる事は21年間ありませんでしたし、そんな事をすれば、家族はとたんに「ヒジキ」嫌いになってしまうでしょう。 せいぜい食べて、1〜2週間に1回くらい。
1人が1回に食べる量は、戻した状態でも10グラム程度だと思います。
そう考えれば、ヒジキを食べている日本でも、「食べると危険」と勧告するのは現実的でないように思います。

 なぜなら、ひじきに含まれる「無機ヒ素」の値より、1kgあたりの汚染は少ない食品でも、米のように1回に食べる量が多いものは、 私たちのとっては危険ということになります。
お米や水などのように、1回に食べる量が180g〜200g(180cc〜200cc)と多く、食べないではいられない食品については、 厚生省や他国でも、測っても公開はしないと思います。

環境汚染からくる食品汚染を知らせて、パニックになると皆が(国民も)困るからです。

 今、厚生労働省に他の食品の「無機ヒ素」の測定値について、問い合わせをしていますので、報告があれば、またお知らせします。

 確証はありませんが、イギリスではこの「ヒジキ」の測定値を公開した後で、より深刻な、しかし、「ヒジキ」より1s当たり汚染値が少なく、 日常繰り返し食べる食品の情報を出す(出している)のではないかと、私は思っています。
ただし、その報告は見ていませんのでこれは個人的な推測です。少し調べてみます。

 イギリスのFSA(食品規格庁)のホームページには、「子供が特に危険ということは無い」「と書いています。
ヒ素の場合、ホルモン代謝物質と違って、未成熟の子供の方が大人より危険という事は無いということのようですが、そうでしょうか? (分かる方、教えてください。)
しかし、もし、あなたがこの「ひじき」の汚染値が気になるようでしたら、 FSAの記事にもあるように「昆布」や「わかめ」「あらめ」「のり」などの他の海草を食べるようにしたら良いと思います。
ひじきが食べられなくても、他に替わるものがあれば、まだ幸せに食べられる環境はあるといえます。

どんな測定値も、実際にどう食べているか、どの程度の頻回で食べるものかなどを客観的に考える事が大切だと思います。




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2006'7/28
“『も〜ぅ、いやだ!
再上陸、アメリカ産牛・狂牛病?!』”
 アメリカの牛に狂牛病が発生し、輸入の中止を決めたと思ったら、
すぐに政府間調整で日本政府が視察をしたから安心!と言って輸入を再開。
その直後に牛の背骨が入った「規定以外の牛肉」が見つかり、再び輸入停止に!
そして、またまた7月28日に輸入再開!!

そもそも、狂牛病って何?
 1986年に最初にイギリスで発生した牛の病気。
BSE(牛海綿脳症)は羊の内臓や頭などを家畜の餌として肉骨粉にして食べさせた事から羊に常在するプリオンが牛に感染して起こった病気です。
この病気に罹った牛を人間が食べると、治療方法がないクロイツフェルト・ヤコブ病の原因となることから、大問題になりました!

 イギリスの狂牛病は、2001年には約18万頭(英国政府公式確認数)と発表されていますが、実際には100万頭に近いと言われています。
イギリスは狂牛病の感染経路となっている肉骨粉の販売・供給・使用を1996年に禁止しましたが、 2000年にはヨーロッパ諸国でも狂牛病の大発生が起こりました。

輸入の安全な牛肉はあるの?
 オーストラリアでは1966年から動物を原料とする家畜の飼料はニュージーランド以外からは輸入しない対策をとって 自国の酪農を安全性の高いものにしようと努力しています。
輸出に際しては前頭「狂牛病に罹っていない」事を確認するなど、日本の消費者、企業の要請に応えています。
一方、アメリカは米国内で狂牛病が発生した後も、「全ての牛の検査は科学的見地から不要である」と独自の見解を崩さず、 日本への輸出を政治的な話し合いで7月28日に輸入再開をさせてしまいました。
日本の専門家たちは「生後20ヶ月未満の牛は狂牛病にならないというアメリカの主張は実際に発病している牛がいるのだから何の根拠もない」 と言っています。
6月24日〜7月23日、日本政府(厚生労働省と農林水産省)の輸出認定施設35箇所の現地調査が終わったその直後の輸入決定に、 『見てきただけ』の現地調査で、はじめから輸入再開する予定だったとしか思えませんよね。

アメリカも日本も、政府には国民の健康を考える知恵がない!!
 アメリカは安全性より経済性を優先させ、狂牛病がアメリカ国民にも感染しないような対策を採っていませんし、 日本政府もアメリカの双子の兄弟になりたいのか、国民は二の次。

だったら私たちはとにかく、自主防衛を!

@ 食肉を買うときは原産国表示を見ましょう! 
   小売店でも表示がしてありますが、なければ聞きましょう!
A 鶏や豚には肉骨粉を使う事は禁止されていません。
   鶏肉や豚肉を買う時は餌など、どんな育てら方をしているのか表示してあるものを選びましょう!


国産の牛肉は確かに高いですが、もともと日本では『牛肉は贅沢な食べ物』・・
“せっかく食べるなら、家族が大感激するくらいの牛肉をたまに食べるくらいがちょうど良い”そんな食卓を守っていくのも、 食育の1つです。

10年位前に、今回と同じようにアメリカの圧力で、米国産りんごの輸入が許可になり、日本のりんごの半額以下で市場に並んだ事がありました。
しかし、日本ではアメリカ産のりんごを買う人がほとんどいなかったので、半年もしないうちに日本からアメリカ産りんごが消えました!
政府や企業がどんな事を決めようと、まず、私たち1人1人が不安なものは買わない!!

地域の中で安心を広げましょう!
 そして、「不安なアメリカ産牛肉は値段が安いからといって学校給食や、外食メニューなどに使わないようにしてほしい」と 親しいお店や市役所、スーパーにお願いする事もしていきたいと思います。
1人1人の小さな行動も、家族や地域の健康を守る大きな流れを作る事ができます。

2006年7月28日   馬場利子記




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2007'7/5
“食品添加物・・・最新事情”
『買ってはいけない』の執筆者・・・渡辺雄三さんは食べ物マニア(?)でした!!
報告  馬場利子
去る6月10日(日)、東京に於いてNPO法人「日本消費者連盟」第34回総会の記念講演会にて、 科学ジャーナリストの渡辺雄三さんのお話を聞いて、 日々更新する食品添加物事情で皆さんにもお伝えしたい点をご報告します。

現在、食品衛生法第4条で使用を許可されている食品添加物は
● 合成添加物・・・366品目(2003年より15品目増えています)
  • 自然界に存在しない化学物質・・・タール色素、opp、TBZなど約100種
  • 自然界に存在するものを真似して化学合成したもの・・・ビタミンC、りんご酸、クエン酸など
● 天然添加物・・・489品目
  • 自然界の植物、海草、昆虫、細菌、鉱物などから抽出した特定成分
    • 有機溶剤で抽出しているものなどに発がん性、アレルギー発生の恐れあり。
    • アカネ色素は催奇形性があり禁止になった。
  • 遺伝子組み換えで作られた食品添加物
    • αアミラーゼ・・・6品目
      ★ サプリメント、健康補助食品に多く使われ、
        遺伝子組み換え食品の被害と同様の作用が
        考えられる。
    • キモシン・・・・・・・2品目
    • リパーゼ・・・・・・・2品目
    • グルコアミラーゼ
    • プルラナーゼ・・・2品目
    • リポフラビン(ビタミンB2)
  • 注意すべき天然添加物
    • ツヤプラシン(ヒノキチオール)防腐剤・・・催奇形性あり
    • カラニーナ、ファセレラン(増粘多糖類)・・・催奇形性あり
● 最新動向
  1. 食のグローバル化により、アメリカやEUで許可されているものを積極的に、食品添加物に認可しようという動きになっている。
    「46品目と20種の香料が日本では認められていないため、輸出できない・・・」とWTOで指摘され・・・たぶん、食品添加物として日本は 認可していくだろう。
  2. 甘味料のスクラロース(薬局、サプリメントのカプセル用材)・・・有機塩素物質
    ブドウ糖が3つつながったものでブドウ糖のOH(塩基)をCL(塩素)に置き換えたもので甘みが安定している。しかしダイオキシンと同族の物質で危険。
★ 食べる人にとって必要のないものが多用されている現実の中では、消費者自身が選ぶ情報が大切!!

★ 『買ってはいけない』200万部売れた効果はPart1に書かれた食品のほとんどが改善もしくは食品として姿を消したそうです。 現在、Part4まで出ています。

★ 『買ってはいけない』の連載は週刊『金曜日』で続いている。
それはこの週刊誌が企業広告を載せていないため。
テレビ、新聞では洗剤メーカーと食品メーカーの広告料は莫大収入!!




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2008'12/25
“放牧豚を分けていただく理由 その1”
馬場利子
一般飼育の豚は
● 生産性を高めるために・・・
  1. 狭い豚舎で密集飼いをし
  2. 高カロリーのコーン飼料で育てられます。
@ 密集飼いによる豚のストレスは、それぞれに対応するために、 体内にAd(アドレナリン)Cr(コルチゾール)を多量に出して成長します。
本来おとなしい豚が攻撃的になったりするのもこのためです。
そして豚肉としてアドレナリンやコルチゾール生成物を私たちが食べることになります。

AdやCrは人も豚も生体内作用は同じで、体内の血糖値を上げるため、すい臓はインスリンを放出して、 血糖値を下げねばならず、膵炎に罹った人が 肉を食べるとすい臓の痛みを感ずるのはそのためだとも言われています。

近年、脳内反応が広く解明されるようになり、このストレスによって、AdやCrが増加し、 血糖値が上下を繰り返すことが、疲労とウツ状態の原因になることが分っています。
疲労症候群の人に肉食過多を止め、菜食中心を勧める病院もでてきました。
豚も広々とストレスなく育ち、私たちもいただくいのち(生命)を喜んで生きられる食生活をしたいと思います。
次号につづく




2009'1/22
“放牧豚を分けていただく理由 その2”
馬場利子

● 他者と共存する食べ方・・・

一般飼育された豚のストレス物資を私たちが食べることで体内に取り入れてしまう弊害について、 前回お話しましたが、今、地球上では栄養不足で命を失う子どもたちが20秒に1人いると言われています。
そうした子どもたちが暮らす国は戦争による国内の混乱だけでなく、 日常、食べるものを作らず換金作物を作ることを余儀なくされ、 外国に穀物が流れてしまうことによる食べ物の不足も大きな原因になっています。

豚肉1kg作る(?!)のに4kg〜10kgの飼料(主にユシ)が必要だと言われています。 私たちは外国の人々がその地で食べて生きていく糧を”お金”で買うことができますが、 そういう方法ではなく、豚もそこにある草や牧草を食べて育ち、どこの国の食べ物にも頼らず、 私たちが感謝して食べることができる放牧飼育が広がることを願ってやみません。

”好きなだけ肉を食す”食べ方からいのちをつなぐ食べ方にまず私たちから変っていきたいです。
次号につづく

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